Q1. いきなりですが、相談は有料なんでしょうか?
A1.
勿論、最初から料金を頂くようなことはしていません。
まず最初に色々とお話をさせて頂いて、宜しければ建物の計画案(図面と模型)と概算工事費、それから設計監理料の見積書を作成します。
その案を元に第1回の打合せをさせて頂きますので、あなたのパートナーとしてふさわしいかどうか判断してみて下さい。
そこでお互いに合意が出来ましたら、設計の作業を進め設計監理契約を結びます。
第1案までは無料ですから、気軽に何でも相談して下さい。
でも、例えば既存建物の現況調査に多大な労力が必要となる時など、どうしても無料で計画案を作成するには無理がある場合もありますので、その様な場合はあらかじめ費用の事などお話ししますので宜しくお願いします。
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Q2. 実際には、設計の作業はどんな流れになるんでしょうね?
A2.
大雑把に言って、基本設計 → 実施設計 → 施工者選定 → 工事契約 → 監理 という流れになります。
基本設計とは、設計条件を整理して、間取りや空間の構成を検討していきます。
施主の夢を大きく膨らませる大事な作業ですね。
何度も施主と打合せをして、細かい所も徐々に煮詰めていきます。
構造や仕上・電気設備・機械設備も、平行して方向性を決めていきます。
実施設計とは、内容をさらに煮詰めて、施工会社に発注し施工するための細かい図面を作成する作業のことです。
先日竣工した住宅の場合だと、A2版で65枚になりました。
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Q3. そんなに図面を書くんですか。 全部自分の所で?
A3.
自分で言うのも何ですが、枚数だけではなく、図面の密度も濃いと思っています。
それから、電気設備や機械設備は基本的な所を検討して、専門の協力事務所に詳細な検討や図面をお願いしています。
暖房の詳細な計算等も、やって頂いています。
構造は、鉄骨や鉄筋コンクリートであれば、構造計算と構造図を専門の協力事務所に依頼しています。
木造も特殊になれば、構造計算を依頼していますね。
ただ単に協力事務所にポンと投げるだけではなく、お互いに大きな所から細やかな所まで検討を繰り返し、建築としての完成度をより高めていくための努力を積み重ねています。
それに監理の時にも、さらに内容を煮詰めた図面を書いているんですよ。
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Q4. なるほどね。 その後はどんな作業になるんでしょうか?
A4.
施工者選定、つまり、実際にその建物を施工して頂ける会社を選定する作業に入ります。
予算内で納まって、施工会社としてしっかりしていている所が見つかれば、工事契約を締結します。
この作業と並行して進みますが、実施設計が終わった段階で検査機関に確認申請を出して、法規的に問題がないかをチェックして貰います。
監理とは、建設会社が本当にキチンと施工しているかどうかを設計者として監理したり、設計内容の細かい所まで意見を出し合って再検討し、最終確認する作業です。
計画案が良くても、建物としての完成度が低いとどうしようもありません。
ですから、建物が竣工するまで気が抜けないんですよ。
勿論、最後にメンテナンスという大事な作業が残っています。
それから、敷地選びの段階から係わる事もありますし、事業計画の段階から係わる事もあります。
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Q5. それでは、設計監理料はどの位になるんですか?
A5.
建築の種類により、設計監理の難易度は大きく異なります。
倉庫のように大雑把な建物から美術館のように細やかな建物まで色々ありますので、一概に言えません。
面積によっても、作業量は異なってきます。
しかし、建物の規模が大きいほど設計監理の手間も増えますが、面積が倍になったからと言って、手間が倍になると言う訳ではありませんから、設計監理料も倍にはなりません。
いずれにしましても、上記のQ&Aで述べましたように、計画案を作成した時に設計監理料を算定して見積書も提示しますので、総合的に判断して頂ければと思います。
それから、設計料を高くするために工事費を吊り上げる事にもなりかねませんので、工事費に対して何%というやり方はしていません。
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Q6. 設計施工の場合、設計料は出てきませんよね。
A6.
表に出てこないだけで、実際には工事費に上乗せしているだけです。
設計料は、見えないだけでかかっているんですよ。
たとえ設計施工であっても、自分の設計内容に充分な価値を認めているのであれば、設計料をキチンと提示していいと思うんですがね。
実際には、ほとんど表に出てきません。
それに、いい物を安く造りたければ、我々のような設計事務所に依頼した方がずっと徳ですよ。
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Q7. そうですか・・。
A7.
設計施工であれば工事内容を細かく確認しておかないと、後から「これは見積りに入っていません」なんて言われて困ることになりますね。
「草刈りは見積りに入っていません」と言われて、自分で草を刈った人もいました。
施工会社に、足元を見られていますよね。
それに、最初から見積りに入っている物は仕事を取るために大きく値引きしますが、契約後はどうしても施工会社のペースになってしまいます。
後からの追加(オプション)や変更はほとんど値引きをしないで、そこで利益を確保していると言う話はよく聞きます。
先日ちょっと相談された話では、最初は安かったのですが、工事中の追加、追加で最終的に倍近い値段になったらしいですね。
この例では、追加で儲けるために、最初は最低限の内容で契約したのではないでしょうか。
それに、最初から施工に入っているのが当たり前のような物まで、追加見積りに記載されていましたから、呆れる話しです。
それから、敷地や建物に無駄な部分や使いにくい所は無いですか?
折角の空間が、居心地悪くなっていませんか?
もしかしたら、もっと気持ちのよい建物になったかも知れないと、思いませんか?
結局は、高い買物をしていませんか?
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Q8. そうですよね。 それはありそうですね。
A8.
それから、坪単価にも惑わされない事ですね。
ハウスメーカーでも、いわゆる坪単価を抑えて、色々な物を別途や付帯工事として分けているケースがほとんどです。
例えば、照明器具や外部の給排水、ガス、カーテン・ブラインド、キッチン、ポーチなど、建物として絶対必要な物まで別枠にしているので気を付けなければいけません。
私の場合は、特別に高価な照明器具やキッチンや、軟弱地盤などのように特殊なケースでない限り、分けて考えませんので安心してください。
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Q9. 納得しました。ところで、施工会社は決まっているんですか?
A9.
私の場合、特に決めてはいません。
実施設計の図面が出来上がった段階で、その建物に適切な施工会社を数社選択し、見積り合せを依頼します。
基本的に、その中で一番安い見積金額の施工会社と交渉し、お互いに合意した場合に施工を依頼しています。
ただ、この施工会社にお願いしたいというような要望がありましたら、相談に応じますのでお話しして下さい。
専門業者やメーカーについても同じです。
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Q10. 見積り合わせは珍しいですね。
A10.
入札ですと合計金額だけですから、キチンと見積もりしているのか分からないですよね。
見積り合わせの場合は、材料の数量や単価などが明記された内訳書も出てきますので、その当りも確認出来ます。
それから金額ですが、高い施工会社と安い施工会社を比較したら、75%位の差が出たことがあります。
金額にして、ほぼ1億円でした。
これは極端な例ですが、大体は20〜30%位の差は出ますね。
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Q11. そんなに差が出るんですか?
A11.
そうですね。
同じ図面から見積もりしているのに、ビックリですよね。
建設費は値段があってないようなものだとよく言われますが、本当にそう思いますね。
でも見積り合わせは、細かいことまで明記した図面と仕様書がキチンと揃っているから、出来るんですよ。
それが曖昧な状態で見積り合わせをしても、どのような建物が出来るのかまるで分かりませんね。
A社とB社で使用する材料が違っていたら、まるで比較になりません。
見積りが安いからと言って、安かろう悪かろうでは困ります。
見積り合わせは、良い物を安くつくるための最適な方法だと思っています。
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Q12. それじゃ、監理もするんですね?
A12.
勿論、ガッチリ監理します。
欠陥建築としないためには勿論ですが、建築としての完成度をもっと高めるためにも、当然必要なことです。
規模の大小に関わりなく、1週間に1度、現場で綿密な打合せを行います。
その他、工事の進捗状況に合わせ、しつこい位に施工状況の確認や打合せを行います。
そうすることで、お互いに納得のいく、使いやすくて心地よい建物が出来ます。
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Q13. 安心しました。 ところで、ローコストの場合でもやっているんですか。
A13.
勿論です。
今までやってきた建物の、ほとんどがローコストな建物だと思っています。
ただ、イニシャルコストを抑えても、後々のランニングコストやメンテナンスコストが大く膨らんでは意味がありません。
それに、建物としての快適性が犠牲になってしまったら、何のために建てたのか分からなくなってしまいます。
しっかりした物を造ると言う事を大前提に、総合的にローコストな建物をいつも追求しています。
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Q14. 確かに、建てた後のコストも十分考える必要がありますね。
A14.
そうですね。それを踏まえて、なおかつローコストを目指した方が良いと思います。
いつも心掛けているのは、無駄をなくする事ですね。
床面積がコストに一番ストレートに跳ね返ってきます。
無駄な空間を造らず、狭いけれども使い勝手もよく広く感じられるようにすることは、建物を設計する上で一番の基本ですね。
その他の無駄な物としては、意味のない凸凹、邪魔な壁や建具、過剰な装置や設備等々、色々考えられます。
ただ、難しいのは、一見無駄な様ですが実は非常に有意義な物もありますので、そのようなものはキチンと見極めながら極力大事にしたいと思っています。
それから、自然の力=太陽や風や地熱などを出来るだけ取り入れる事も大事だと思います。
無駄な物を造らず、あるものを有効活用する事が、一番のローコストだしエコロジーへの一番の近道ですね。
でも、今建てようとしている建物が本当に必要なものかどうか、もしかしたらそれが一番の無駄かも知れません。
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Q15. そうですよね。 後で建てなきゃよかった、なんて言われたら辛いですよね。
A15.
幸いそんな事はありませんが、もし言われたらこれ以上悲しい事はないですよね。
それからローコストとして考えているのは、安くてもしっかりした材料を使うとか、職人の種類を減らすとか、大事ではない部屋の仕上は省略するとか、合理的な設備や構造にするとか、きりがない位いっぱいありますね。
例えば、2階の床や屋根の構造を現しにする事がよくありますが、これもローコストの意味もあってやっている事です。
こうすると、天井仕上げが要らなくなるし、床板までが天井として使えます。
その分、全体の高さを低く抑える事も出来ます。
表面積が減れば、外壁の仕上面積も減るし、逃げる熱も減ります。
壁の構造を現しにしているのも、同じ様な理由ですね。
もう一つ、総合的なローコストとしていつも考えているのは、建物の寿命を長くする事ですね。
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Q16. 折角建てる建物ですから、長く使いたいですよね
A16.
ローンが終わった時が建物の寿命だったら、がっかりしますよね。
欧米に比べて中古住宅の流通が少ないのも、建物の寿命が影響していると思います。
木造でも法隆寺のように長持ちさせる事が可能なのですから、せめて50年位は使い続けたいですよね。
木造であれば、一番怖いのがシロアリや水による腐れです。
その為の対策として、床下には、全面防湿コンクリートを敷いています。
土台には、腐りにくい青森ひばを使用しています。
特に腐りやすいのはお風呂廻りですので、タイル貼りの場合には、ビルの屋根と同じような防水を施してから、仕上げを施しています。
外壁にサイディングをあまり使わないのは、コーキングが切れて雨水が浸入する可能性があるというのも理由の一つです。
外壁の左官も同じように、クラックから浸水する可能性があるので、慎重に検討する必要があります。
ローコストだからといって、安かろう悪かろうではいけません。
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Q17. 話しは変わりますが、建築を設計する時に特に大事にしている事はなんですか?
A17.
建築は、実際に人が長い間住んだり使ったりする物です。
一度建ったら、簡単に壊したりする事は出来ません。
ですから、一ヶ所でもおかしな所があってはならないと思っています。
おかしな所というのは、二種類に分けて考えると分かりやすいと思います。
一つは建築として求められる性能が、十分満たされているかどうかですね。
例えば雨が漏ったり、雪で壊れたりするようなら困ったものです。
もう一つは、見せたくない物は隠すと言う事です。
人目に付く所に、オイルタンクやエアコンの室外機があったら興ざめですよね。
画竜点睛ならいいのですが、画竜点雨になったら話しになりません。
当たり前の事を当たり前に実践し、確かな建築を創るため、一つ一つ丁寧に設計し監理する事を心掛けています。
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Q18. なるほどネ。
A18.
ただ、確かな建築と言うだけであったら簡単なのですが、それだけで良いはずがありません。
建築には、人々に感動を与えるような、何か心地よい=あずましい空間が必要だと思っています。
しかし、心地よい空間は簡単には生まれません。
様々な角度から検討を繰り返し、思考することが必要です。
たとえば、その空間性・視覚性は勿論ですが、空間を満たす光、窓から見える風景、肌に感じる空気の動きや温もりに湿度、手や足に感じる肌触り、音や臭い、さらには皆さんが主役となって行われる様々な「コト」も、空間を構成する大事な要素と考えています。
確かな建築で、しかも心地よい空間。
片方だけであれば簡単なのですが、両方を追求しなければならないのが、建築の面白い所であり大変な所だと思っています。
建築の奥が深い所であり、日々の悩みも深いですね。
でも悩んだ分、出来上がった建築は、総合的により心地よい物になっているような気がします。
苦労をしても、施主に喜んで頂ければ、私にとって最大の喜びですね。
第一に確かな建築を創ると言う事、第二に心地よい空間を創ると言う事。
この二つのレベルを上げる事で、建築としての完成度がぐっと高くなると思います。
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Q19. そうですよね。 私も心地よい=あずましい空間に住みたいですね。
A19.
折角、建物を建てるのですから、簡単に考えず、じっくり腰を落ち着けて考えたいですね。
建築は、皆さんの夢が何であるかを把握することからスタートします。
「内は普通ですよ」などと言っている施主さんでも、よくお話を伺うと皆さんとても個性的で、空間に対する自分なりの夢を持っています。
建築の設計は、施主の個性や夢探しでもあるんです。
その個性や夢を主張するのを諦めず、自分たちにとって何が本当に大事なのか、何が大事でないのか、私達と一緒に考えて行ければいいなと思っています。
多くの人は、その夢を最初から諦めていることがあるかもしれませんが、その夢を諦めないでください。
チョットした工夫で、夢が実現出来るかも知れません。
どうせ無理だろうと遠慮して、建物が形になってから諦めきれずに、「実はこんな事がしたかった・・・」と言われる事もあります。
間に合えばいいのですが、時既に遅く諦めなければいけないような場合は、本当に辛いですね。
私達は施主の個性を探し、夢を大きく膨らませ、世界で唯一の空間に具体化していくことが建築であると考えています。
あくまでも主役は夢であって、建築はその夢を支える静かな背景であって欲しいと思っています。
そして、皆さんの夢が詰まった建築を、少しでも心地よい=あずましい空間にしたいと願っています。
建築とは楽しいものです。
その楽しさは、電子レンジでチンするような作業からは、決して生まれません。
私達は施主と一緒にじっくりと夢を追いかけ、建築を考え、そして楽しみたいと思います。
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Q20. ハイ. 夢は諦めないようにします。
話しは変わって、例えば平面を考える時は、どんな事に注意してますか?
A20.
平面の前に、敷地や、敷地周辺の地域のことを考えますね。
気候や風土、それに風景や景観などなど色々な所に目を光らせ、土地の持つ固有の魅力を見つけ、建築のヒントになるようなものを探します。
その作業と平行して、配置をじっくり考えますね。
人間と同じで全ての敷地に、個性があります。
心地よい所とそうではない所が、必ずあります。
敷地内やその周辺に既にある物を出来るだけ大事にし、活用するようにしています。
それを見つけ出して、最適な配置を考えます。
それから、外構も同時に考えるようにしています。
このように、ローカルなことだけではありません。
同時に、グローバルにも目を向けるようにしています。
世界や日本の建築の流れや、世の中の動きなどにも注目するようにしています。
建てようとしている建築の向かっている先が、方向音痴だったら困りますものね。
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Q21 平面の前に、色々考えることがあるんですね。
A21.
実際には、平面と配置は平行して考えますね。
平面の中で無駄な所を無くするのは勿論ですが、どこか楽しく心地よい所を創るようにしています。
それから、平面を考えながら立面や断面や仕上げや構造など、様々な事を同時進行で考えています。
住宅を例にして、分かりやすいお話しをしましょうか。
例えば、廊下を無くして、全体が一つの空間であるように考えますね。
部屋がそれぞれ廊下や壁で仕切られていたら、1+1は2にしかなりません。
ですが、チョット工夫して部屋と部屋を直接つなげることが出来れば、1+1は3にも4にもなります。
これに外部空間も足すと、1+1は無限大に膨らんでいきます。
廊下の分広く感じられるし、部屋同士が一体になりますから空間も格段に広く感じられますね。
壁が少なくなりますから、コストダウンにもなります。
部屋を区切りたい時は、引戸で緩く仕切れば便利ですね。
引戸は、開き戸と違って、開いてる時も閉じてる時も邪魔にならないので、違和感がないですね。
しかし、どうでも部屋と部屋をくっつけて良いという訳ではありません。
なんの配慮もなしに、居間から丸見えの所にトイレがあったら、誰でも嫌ですよね。
しかも、昔の作り方のままなら、冬は寒くてどうしようもありません。
1+1が0になってしまいます。
そんな事にならないように基本的な性能を十分確保した上で、しかも心地よく楽しい空間になるように、頭を柔軟にして色々な事を考えています。
我々の設計した建物では、ホームパーティをちょくちょくやっている例が沢山ありますね。
人が集まるのは、1+1が3にも4にもなっている効果かもしれません。
それから、住宅であれば家族の距離感が、非常に大事だなと思っています。
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Q22. 距離感・・ですか?
A22.
そうです。家族同士の距離感が非常に近い場合もあれば、みんな「大人」でほとんど顔を合わせないような家族もいると思います。
普段はバラバラなのに、家族としての一体感が非常に強い場合もあります。
色々ですね。
二世帯住宅の場合、スープの冷めない距離などと表現されているように、世帯間の距離感が話題になりますね。
一世帯の場合でも、もっと距離感というものを考えて良いと思いますよ。
玄関を入ったら目の前に階段があって、2階の子供部屋に直通しているような家の場合、その家族はどうなるでしょう?
子供が家に帰っても、家族は全く気がつかない。
部屋に籠もったら中で何をやっているのか、お互いさっぱり分からず、食事の時だけ顔を合わせるような生活になりそうじゃありませんか?
そのうち、食事もそれぞれ勝手に摂るようになるかも知れませんね。
それより、いつもお互いの気配が感じられるような空間の方が、家族同士のコミュニケーションも活発になり、楽しそうじゃありませんか。
風通しのよい家は、コミュニケーションの風通しも良いんですよ。
余談ですが、子供部屋でいつも勉強する子よりも、家族のいる居間や食堂で勉強する子の方が、学校の成績が良いというデーターがあるそうですね。
今現在、家族同士の距離感が遠くても、折角住まいを建てるのですから、これを機会に家族同士の距離感がグッと近づけられたらいいなと思っています。
でも、全ての空間が、近い距離感になっている必要はありません。
書斎のように、一人の時間を大切にするような空間があってもいいですね。
その部屋から出た時に、グッと家族の距離感が近くなっていればいいと思いますよ。
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Q23. なるほど。 そう考えると、色々面白くなりますね。
A23.
距離感について、もう一つ別の角度から見てみましょうか。
最近多いのは、夫婦別寝ですね。
たとえ夫婦でも、ベットをくっつけて寝るのはチョット・・・、と言うパターンは増えているらしいんですよ。
お互いに寝る時間がずれているとか、イビキや赤ちゃんの夜泣きで困っているとか、寝る前に本を読む習慣があるとか、色々な理由からそうなっているらしいですね。
この場合も、寝室を二つのコーナーに分けて、建具で仕切ったり、間に両方から使えるクローゼットを挟んだりとか、アイデア次第で様々な事が考えられます。
勿論、まるっきり別室にする事も考えられます。
最も、その場合は、夫婦別室と言うらしいですけどね。
つまり、距離感を詰めればいいと言う単純な話しではなく、色々な距離感が考えられると言う事です。
皆さんの、家族の距離感はどうですか?
距離感をもうチョット意識して、建築を考えてみませんか?
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Q24. 住宅の問題は、家族の問題ですね。
A24.
そうですね。
建築は。色々な問題と密接に連動しています。
単に形を作ればいいと言うわけじゃありません。
住宅であれば、施主の趣味や嗜好も空間に大きな影響を与えます。
医療施設であれば、そこで行われている医療行為や療養行為を知ることで、もっと心地よい空間を提案することが出来ます。
事務所であれば、その事業内容や組織形態それにCI(コーポレートアイデンティティ)にまで踏み込んでくことで、新たな展開が見えてきます。
どうですか? 建築以前の事が、とっても大事なんですよ。
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Q25. 本当ですね。 建築ってとても幅が広いし、大事ですね。
A25.
そうですね。
同じ施主・同じ敷地は一つもないのと同じように、同じ建物は一つもありません。
全てオリジナルです。
世界にたった一つの建築を、施主と一緒に創る作業は、とっても楽しいものです。
ハウスメーカーのようにカタログの中から平面や仕上を選ぶという作業は、数字的にはもの凄い数の組合せがありますが、はたしてそれで良いのでしょうか。
私にはどうしても、電子レンジでチンするのと同じような作業に見えてしまうのですが。
食事ならたまにはチンしても構わないのでしょうが、建築は施主にとってとっても大きな買物です。
もっとじっくり考え、もっともっと楽しんで良いのではないでしょうか。
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Q26. はい、分かりました。 話しは変わりますが、アラハバキってなんですか?
A26.
昔、北東北を中心に大きく栄えていたと言われる、国の名前です。
部族の名前や神の名前としても、使われていたようです。
その最後の姿が、十三港の安藤水軍だと言われていますが、詳しいことはよく分かっていません。
津軽も当研究所も、この国のように栄えて欲しいとの思いから、名前を拝借しました。
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Q27. またまた話しは変わりますが、暖房は何が良いんでしょうね?
A27.
実は、いつも悩んでいます。
明確にこれしかないと言えるような物はありませんので、建物の使い勝手や使う人の好みなどの条件に合わせ、今まで色々な方法を試してみました。
床暖房やパネルヒーター・FF式ストーブ・ファンコイルユニット・蓄熱型電気暖房(いわゆるオール電化)などの一般的な暖房方式の他に、薪ストーブや床下暖房もやってみました。
床下暖房とは、床下に熱源を置いて建物全体を暖める方式で、床下にFF式ストーブを置いたり、石油熱源の床下放熱器や蓄熱型電気暖房機も採用したことがあります。
適材適所で、それらを組み合わせることも多いです。
それぞれの方式に長所と短所がありますから、その建物に合わせ最適な暖房方式を選択した方が良いと思います。
そして、その能力を最大限に発揮出来るよう工夫することで、快適な冬の生活を送ることが出来ると思います。
それと、現在計画中の建物は、深夜電力を利用した氷蓄熱方式のエアコンで、冷暖房する事を考えています。
この方式も、ランニングコストが安いのでいいですね。
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Q28. 色々やっているんですね。
A28.
青森県は寒冷地ですから、暖房については十分に検討しなければいけませんね。
勘違いしやすいのですが、暖房で暖かくすると言うよりも、寒い所を無くするのが快適に過ごすポイントだと思います。
なおかつ、暖房器具が邪魔にならないようにレイアウトするのが、いつも悩む所ですね。
それから、もう一つ勘違いしやすい事があります。
○○の暖房は暖かいという話をよく聞きますが、それは暖房と言うよりも建物が暖かい、つまり断熱性がよいと思って頂いた方がよいかと思います。
そうでなければ、暖房が過剰な場合ですね。
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Q29. そうですよね。 建物の断熱性能は大事ですよね?
A29.
次世代型省エネルギー基準という現在最高レベルの省エネ基準がありますが、当事務所では基本的にそのレベルか、それ以上のレベルで断熱材の厚さや気密性・開口部の仕様などを決めています。
次世代省エネルギー基準は、品確法の等級4(最高レベル)に該当します。
それから、木造・鉄骨構造であれば断熱材としては発泡プラスチック系断熱材を、工法としては外断熱にする事が多いですネ。
繊維系の断熱材はつぶせばその分断熱性能が落ちますが、発泡プラスチック系断熱材はつぶれないのでそのような心配がありません。
内断熱であれば、木材と断熱材の間が全て断熱や結露の欠陥になりやすい所ですが、外断熱であればそれがありません。
気密性能の確保も、簡単に出来ます。
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Q30. 色々メリットがあるんですね。
A30.
そうですね。 壁の中は基本的に空洞になりますから、内壁を貼らず構造を完全に現す事も出来ます。
例えば、
自由ヶ丘の家 大清水のアトリエ 光城の家 等です。
その他、
千年の家では、部分的に壁構造を現しにしています。
HPを覗いてみてください。
基本的な柱の大きさは105mmありますが、この105mmの奥行きを大事にしたいですね。
全面的に壁構造現しにしなくても、壁の空洞部分を収納として利用したり、間柱を薄くする事で部分的に部屋を広げたりする事も出来ますね。
トイレなどは、同じ半間巾でも随分広くなったような気がします。
それから、外断熱であればその分壁が厚くなるので、必然的に窓の奥行きも大きくなります。
外から見ればフラットでも、内側から見れば出窓のようになります。
出窓であれば、何かを置いて飾り付けをする等、色々な活用法が浮かんできますよね。
勿論、外壁だけではなく、内壁も同じように壁の厚みというものを利用出来ます。
アイデア次第ですね。
世の中には様々な断熱材・様々な施工方法があります。
どのような方法であってもキチンと施工すれば、一定レベルの断熱性能が出て快適な内部環境になります。
反対に、いい加減にやると寒いし、結露を起こして大変なことになります。
勿論、我々も監理者として施工がキチンと行われているかを、確認しています。
それから、構造やデザインによっても、考え方は左右されます。
いずれにしても、それぞれの方法に長所と短所がありますから、それらを十分理解した上でやり方を選択した方が良いと思います。
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Q31. ただ暖かくすると言っても、色々あるんですね。
A31.
そうですね。分かりやすい例を紹介しましょうか。
自動車の中の温度を、例えば25℃に設定したとしますよね。
同じ25℃でも、冬であればオーバーを着ているのに、夏であれば半袖のままなんてことありませんか?
同じ室温でも壁や窓が冷たいかどうかで、これだけ違うんですよ。
それに、暖房する時は足元から温風を出した方が、気持ちよくないですか。
冷房であれば反対ですね。
まさに頭寒足熱です。
それから、建物全体の断熱性能を上げると、少ないエネルギーで建物全体を暖房する事が可能になります。
そうすると、寒い部屋はなくなりますので、部屋毎に空間を仕切る必要がありません。
廊下やトイレ、それにお風呂もいつだって温かいんです。
つまり、建築をもっと大きく、自由に考える事が出来るんですよ。
技術の裏付けがあって初めて、空間をデザインする事が出来るのです。
どうですか? そう考えると可能性はどんどん広がって、楽しくなりそうですよね。
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Q32. 本当ですね。 そう考えると建築の可能性が広がって、楽しくなりますよね。
A32.
空間を仕切らないと、他にもメリットがあるんですよ。
全体を大きくとらえて、空気が自然に循環するようにすると、湿気や臭いがどこかに籠もると言う事も無くなります。
ある人は、「子供を一人だけ仲間はずれにすると、ぐれるでしょ? 空間も一ヶ所だけ仲間はずれにすると、ぐれるんですよ」と言ってます。
面白い表現ですよね。
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Q33. 確かに面白い表現ですね。 所で、ソーラーシステムはどう考えていますか?
A33.
うーん・・・。 狭い意味でのソーラーシステムは、積雪地では難しいですね。
ソーラーシステムは大きく3種類あります。
一つは屋根に太陽熱利用の給湯器を置くタイプで、一つはソーラー発電で、もう一つは屋根面で暖められた空気を暖房に利用するタイプですね。
どれも、南向きの屋根に当たる太陽熱を利用しているんですが、冬に雪が積もっていたら機能しません。
ですから、屋根を急勾配にして雪を自然に落とす事になると思うんですが、殆どの場合は居間の目の前に雪の山が出来る事になりますよね。
例えば南側が水路でいくらでも雪を落とせるような場合ならば良いのですが、そのような条件の敷地はあまりありませんね。
でも、太陽の恵みである光や暖かさは、いつも意識して計画しています。
太陽は一番の暖房だし、一番の照明だと思っています。
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- 1993/06/01(火) 01:00:00|
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