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Arahabaki Institute of Architecture




  アラハバキ建築研究所
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梅村医院2011





   ■ 梅村医院2011 ■

2000年に竣工した石渡の病院(梅村病院)を、再度増改築した物です.
前回は介護力強化型病院から療養型病床群への転換が主な目的で、主に、病棟における療養環境を向上させるためのものでした.
今回は、さらに介護老人保健施設(60床)への転換と、診療部門の全面的な改築です.
正確に言うと、病院から介護老人保健施設と言う福祉施設を併設した診療所への転換です.
(医療施設から福祉施設への転換は、青森県内初の事例だそうです)
3方を水路に囲まれたあまり広いとは言えない変形敷地に、5種類の既存建物が存在していました.
しかも病院を継続しながらの増改築ですから、様々な制約が複雑に絡み合っていました.
この複雑なパズルを一つ一つ解きながら、療養・診療ともに、十分に高い機能性と充実した環境を実現する事を心がけました.
それから、前回の増改築 梅村病院2000も覗いてみて下さい.



梅村外観-1
正面外観です.
左から、2階が2000年に増築した部分で、1階が職員の通用口です.
黒いR壁部分は、2階が浴室で1階がデイケアです.
中央と右端は、2階が老人保健施設の療養室で、1階は診療部門です.


梅村外観-2
正面を、斜めから見た所です.
正面には、換気扇の排気などが見えないように工夫しています.


梅村外観-3
正面です.
シルバー部分は、ガルバリウム鋼板のスパンドレルを斜めに張り、1階はレンガタイルで仕上げています.
植栽は、紅葉の楽しめるヤマモミジと、ツツジサツキです.


梅村外観-4
キャノピーの詳細です.
キャノピーを上から吊る事で、邪魔な柱をなくしました.
天井高さは、一番大きな救急車でもぶつからないように設定しています.


梅村外観-5
キャノピーの下から見た所です.
奥に、溶融亜鉛メッキの鉄と、防腐処理された青森ひばで造られたバルコニーが見えます.
玄関前の床は、段差のないバリアフリー仕様で、融雪用のロードヒーティングを埋設しています.



梅村外観-6
職員の通用口を、南側から見た所です.
左端のシルバーの2階建ては、前回増築した建物(南棟)です.
ここから奥に、第2駐車場があります.


梅村外観-7
水路を挟んだ北側隣地から見た所です.
左の黒い部分が増築で、右の白い部分は、今回全面改装した北棟です.
右端に、今回増設した外部階段が見えます.
増築棟の上に、エアコンの室外機置場が見えます.
室外機に屋根をかけ、直射日光を遮る事で、エアコンの効率が格段に高くなり、耐用年数も長くなります.


梅村1階-1
玄関からデイケア方向を見た所です.
冬の事を考え、タイル下には床暖房を埋設しています.
玄関建具は、青森ひばです.


梅村1階-2
玄関から、待合室方向を見た所です.
右は受付で、左のR壁部分にはトイレなどが入っています.


梅村1階-3
待合室です.
左の引き分け戸は処置室へ、隣の片引き戸は診察室へ通じます.
受付カウンターは、健常者用と車椅子用の2種類の高さを用意しました.
右端は玄関です.


梅村1階-4
待合室から中庭方面を見た所です.
水洗いが出来る畳を敷いた小上りがあります.
黄色いR壁の中には、トイレ等があります.
天井は、高い所で3.14mあります.


梅村1階-5
中待合いです.
診察室は2室あります.


梅村1階-6
診察室の奥にある処置室です.


梅村1階-7
点滴用のベッドが並んだ処置室です.


梅村1階-8
トイレの前室です.
お年寄りでもハッキリ分かるように、大きなピクトサインを設けました.
ピクトサインは、丸の集合体です.


梅村1階-9
女子トイレです.
高級感とメンテナンス性を考え、床と壁には大判のタイルを貼っています.
間接照明を多用しています.


梅村1階-10
小上りのあるデイケアです.
左の壁は、円弧状になっています.


梅村1階-11
1階エレベーターホールです.
正面左が、診察部門に通じています.


梅村2階-1
天窓のある、2階エレベーターホールです.
左は、階段に通じています.


梅村2階-2
大きな天窓のある、2階食堂です.
正面の窓からは、岩木山がよく見えます.


梅村2階-3
同じく2階食堂です.
左は道路側のバルコニーに通じ、右の廊下は浴室に通じています.


梅村2階-4
同じく2階食堂です.
2階の療養室は全て個室で、12部屋あります.
天井は、一番高い所で5m.


梅村2階-5
同じく2階食堂です.
奥に、サービスステーションが見えます.
手前の鉄骨丸柱には、麻のロープを巻いています.
右は全面改修した北棟です.


梅村2階-6
中庭に面した北棟の廊下です.
腰壁は、タモの練り付け合板を染めた物です.


梅村2階-6.1
バルコニーを中から見た所です.


梅村2階-7
増築棟の療養室(個室)です.
内法で、約14.2m2あります.


梅村2階-8
デイサービスの人も利用できる、2階浴室です.
浴槽の吐水口は、黒御影を加工した物です.


梅村既存-1
全面改修した西棟のサービスステーションです.
大きな天窓で、明るくなりました.


梅村既存-2
部分改修した西棟と南棟です.
相談コーナーや機能訓練室を1.6mのスクリーンで仕切りました.


梅村既存-3
前回増築した既存南棟の機能訓練室から、中庭を見た所です.
ここからは、待合室の窓が見えないようにしています.


梅村中庭-1
中庭です.
左が増築棟で、右は前回増築した南棟です.
2階食堂の窓は、西日除けのためにアルミルーバーを上部に取付けています.


梅村中庭-2
中庭を上から見た所です.
入所者が、車椅子でも出て利用しやすいように、バリアフリーにしています.
右の平屋は、既存の西棟で、外壁は全面補修しました.
中央のシンボルツリーは、ハナミズキです.


梅村中庭-3
中庭の夕景です.
右は既存西棟の機能訓練室で、正面増築棟の2階は食堂で、1階は待合室です.
待合室と機能訓練室の視線が交わらないように、待合室を斜めに振っています.
上部に、食堂の天窓が見えます.


梅村BA1000


梅村立面
    正面図


梅村模型8面



所在地      弘前市石渡1丁目
延床面積     2614㎡
 増築面積    983㎡
 大規模改修面積 538㎡
 小規模改修面積 1093㎡
増築構造規模   鉄骨構造 2階建て
竣  工     2011年6月
施工会社     大豊建設(株)


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ここに掲載されている写真などの著作権はアラハバキ建築研究所にあります.




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  1. 2011/08/17(水) 17:30:45|
  2. 仕事・・・医療・福祉施設|
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松ヶ枝の家2011(改装)





   ■ 松ヶ枝の家2011 (改装) ■


1997年に竣工した建物の中に、「松ヶ枝の家(増築)」と言う2世帯住宅があります.
今回は、親世帯の住む築21年の母屋の1階と外壁などを、リフォームさせて頂きました.
部屋毎の大きすぎる温度差と、各敷居にある危険な段差が、高齢者が住むには問題でした.
そこで今回は、床を全面解体し、基礎の内側に断熱材を貼り、湿気対策に全面的にコンクリートを打設しました。
それから、床でも入念に断熱し、全面床暖房を施しました.
一緒に、床の段差も解消しています.
外壁は、増築棟と同じ無塗装のラムダサイディングを、上から貼っています.
ついでに、屋根も増築棟に色合わせをして、塗装しています.

以前建てた松ヶ枝の家(増築)も覗いてみて下さい.


松ヶ枝?正面-1
正面道路から見た所です.
左半分の3階建てが増築棟で、右半分が今回の施工範囲です.
玄関の引き違い戸も、気密と断熱性の高い建具に取替えました.
真っ黒に見えますが、外側アルミの格子戸です.


松ヶ枝?正面-2
正面道路に面する東面と、北面を見た所です.


松ヶ枝?裏2面
裏の西面から見た所です.
右の3階建てが増築棟です.


松ヶ枝?中4面
内部です.
玄関は2階への階段もありどうしても寒いので、玄関と居室との間にある建具の気密性と断熱性を高い物に取替えました.
リビングは、床を畳からフローリングに変えています.
壁のクロスも張り替えましたが、その他は、ほとんどいじっていません.


松ヶ枝?現況



所 在 地   弘前市松ヶ枝4丁目
改装面積   110㎡
構造規模   木造 2階建て
竣  工   2011年9月
施工会社   弘和建設(株)


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  1. 2011/08/16(火) 12:03:39|
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安原の家(改装)





   ■ 安原の家 (改装) ■


築17年の住宅の改装です.
外壁のサイディングが痛んでいた事と、水廻りの使い勝手の悪さや経年変化による劣化が、この住宅の抱えていた大きな問題でした.
外壁は、既存サイディングの上に胴縁を組んで、ガルバリウム鋼板のスパンドレルを貼っています.
外壁材については、工期短縮を考慮した施工性や、構造に負担をかけない為の軽量化、末永いメンテナンスフリーが期待できる耐候性、それに、住宅街の角地に建つ事から美観性などを重視しました.
リビング廻りも、特に木の雰囲気を出したいとの事から、一緒に改装しています.
洗面・トイレ・浴室は、平面も含め大幅に改装しています.



安原外-1N
南側外観です.
スパンドレルは、2種類の色と2種類の貼り方を組み合わせています.
一部、青森ヒバを貼っています.
正面手前に、2台分の既存カーポートがあります.


安原外-2N
南西側外観です.
屋根は、数年前に塗り替えていますので、今回は手をつけていません.
全体の形状も、変えていません.


安原外-3N
西側外観です.
手前の平屋は、1999年に我々の設計監理で増築した外部倉庫と納戸です.


安原外-4N
玄関前からテラスを見た所です.


安原外-5N
テラスを反対側から見た所です.
柱型にも、青森ひばを貼っています.


安原外-6N
1999年に増築した外部倉庫と納戸です.
木建を塗り直しただけで、他はいじっていません.


安原中-1N
リビングです.
天井に、しな合板と30x120の木製ルーバーでリズム感を出しています.
木の質感を楽しめる事の他に、表面積が増えた事による吸音効果が期待できます.
腰壁と床は既存のままですが、壁クロスは張り替えました.


安原中-2N
吹抜です.
リビング天井の木製ルーバーが、連続しています.


安原中-3N
リビングからテラスを見た所です.
FFストーブは、既存の物を再利用しました.


安原中-4N
リビングから吹抜を通して、台所と玄関を見た所です.
玄関との間の建具も、親子開戸から、気密性と断熱性の優れた引戸に取替えています.


安原中-5N
階段下の書斎コーナーです.
普段は、大きな引戸で隠蔽できるようにしています.


安原中-6N
リビングから6帖の洋室を見た所です.
ここは元々和室でしたので、全面的に改装しています.


安原中-7N
洗面です.
右手には、タイルと青森ひばで構成された浴室があります.
左手には、トイレと洗濯室があります.


安原現況




所 在 地   弘前市安原3丁目
延床面積   167㎡
構造規模   木造 2階建て
竣  工   2010年12月
施工会社   (有)山川建匠


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  1. 2011/08/12(金) 10:47:00|
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泉野四丁目の家 (改装 暖炉のある家)





   ■ 泉野四丁目の家 (改装 暖炉のある家) ■


購入した築8年の中古住宅を、改装した建物です。
住宅としての基本的な性能は、それなりにありますし、全体面積も十分な広さはありました。
しかし、使い勝手の悪い、暗い住宅でしたので、折角の広さは感じられませんでした.
施主は、自分たちの生活に合わない所や感覚に合わない所を改善し、不足している物を付け加える事を望んでいました。
暗くて無意味な中廊下は、間仕切りを撤去し、大きな天窓を設け、リビングと一体化させました。
窓のない洗面所は、窓が確保できる場所に移動しました。
和室は、「離れ」に移動し、落ち着いた空間にしました。
元々の和室部分は、リビングと一体化し、暖炉を設けました。
プランを整理する事で、元々30帖だったリビングと和室は、40帖の広々としたリビング空間になりました。
外部の正面には、広い「こみせ」を設けました。
「こみせ」を設ける事で、リビングと外部との間にもう一つ緩衝空間が出来ましたから、リビングが非常に落ち着いた空間になりました。
浴室の外には、専用の庭(バスコート)を設けましたので、隣の視線を気にしないで、お風呂を楽しむ事が出来ます。
その他裏には、塀で囲われた物干し場や、薪置場も設けました。



泉野4外-1N
南西側正面から見た所です.
全面に1間巾の「こみせ」を設けています.
屋根には、新たに設けた天窓と、暖炉の煙突が見えます.
既存擁壁の上には、木製の柵も設けています.


泉野4外-2N
「こみせ」です.
簾を下げ、植物を這わせています.
内でも外でもない中間領域がある事で、庭がより身近に感じる事が出来ます。
庭木は、元々あった物ですが、一部移動しています.


泉野4外-3N
玄関側から見た「こみせ」です.
床は、透明な防腐剤を加圧注入した青森ひばに、木材保護塗料を塗っています。


泉野4外-4N
「こみせ」の内部です.
第二のリビング、自転車や薪などの置き場、それから物干し場としても、利用しています。


泉野4外-5N
「こみせ」の天井です.
白く塗られたルーバー状の垂木は、明るさを保ちながらも、直射日光を遮ってくれます.


泉野4中-1N
暖炉スペースからリビングを見た所です.
リビング廻りの壁と天井は、クロスを嫌って、既存壁の上に石膏ボードを貼り、塗装しています.
目立ちすぎる焦げ茶色の巾木と廻縁をなくするだけでも、すっきりした空間になります.


泉野4中-2N
キッチンからリビングと暖炉スペースを見た所です.
床のフローリングは、既存のままです.
内部の写真は、「こみせ」を設ける前に撮影しましたので、厳しい太陽光が直接差し込んできています.


泉野4中-3N
カウンターを設けたキッチンです.
システムキッチンは既存を再利用しましたが、天板だけは取替えました.
正面奥は食品庫を軽く仕切り、既存の食器棚をそのまま置いています.


泉野4中-4N
特注でつくられた食器棚です.
ゴミ箱と炊飯器を置くスペースも設けています.


泉野4中-5N
和室から改造した、暖炉スペースです.
床は、無垢のパインフローリングです.
白木の壁は、全体に馴染むように白く染めました.
照明は、ブナコと言う施主が用意した物です.


泉野4中-6N
暖炉です.
炉台は、床が400角のタイルで、壁はコンクリートブロックに白い塗装を塗りました.
バックの壁はクロスです.


泉野4中-7N
元々廊下だった部分です.
天井裏に隠蔽されていた梁を現しにし、開閉可能な天窓を設けました.
暗くなりがちな建物中央に天窓を設ける事で、全体に光が届くようになりました.
天井は、一番高い所で3.87mあります.


泉野4中-8N
リビングから寝室方向を見た所です.
天窓からの光を、感じる事が出来ます.
どうしても抜けない柱は、そのまま現しにしています.
その柱には、コンセントを設けましたので、スタンドによる照明を楽しむ事が出来ます.
左に、書斎への扉(既存)が見えます.


泉野4中-9N
寝室への引き分け戸を開けた所です.
邪魔な壁を撤去したので、光は全体に廻り、風の通りも良くなりました.


泉野4中-10N
寝室です.
ベッドの上の四角は、壁に埋込まれたLED照明です.


泉野4中-11N
寝室に隣接する、第二の書斎です.
化粧スペースも設けています.


泉野4中-12N
狭かったトイレは、改造して広くしました.
床には、大盤のタイルを貼っています.


泉野4中-13N
洗面です.
元々の洗面には窓がなかったのですが、平面を調整してテラス戸のある洗面としました.
テラス戸は、物干し場へ通じています.


泉野4中-14N
和室です.
左下の地窓は、新たに設けました.
中央の窓は、元々はトイレの窓で、窓枠に障子を引っ掛けています.
床柱・畳床と照明は、既存を再利用しています.
天井は、葦を貼っています.


P1040816.jpg
「こみせ」だけですが、模型写真です.


泉野4 BA



泉野4現況



所 在 地   弘前市泉野4丁目
延床面積   178㎡
構造規模   木造 平屋建て
竣  工   2010年12月
施工会社   (有)山川建匠


次の仕事 「柏 崎 の 美 容 院 (大 改 造 !! 劇 的 ビ フ ォ ー ア フ タ ー ) 」 へ。


ここに掲載されている写真などの著作権はアラハバキ建築研究所にあります.




  1. 2011/08/11(木) 14:35:17|
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