Arahabaki Institute of Archtecture



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Q&A

Q1. いきなりですが、相談は有料なんでしょうか?

A1. 
勿論、最初から料金を頂くようなことはしていません。
まず最初に色々とお話をさせて頂いて、宜しければ建物の計画案(図面と模型)と概算工事費、それから設計監理料の見積書を作成します。
その案を元に第1回の打合せをさせて頂きますので、あなたのパートナーとしてふさわしいかどうか判断してみて下さい。
そこでお互いに合意が出来ましたら、設計の作業を進め設計監理契約を結びます。
第1案までは無料ですから、気軽に何でも相談して下さい。
でも、例えば既存建物の現況調査に多大な労力が必要となる時など、どうしても無料で計画案を作成するには無理がある場合もありますので、その様な場合はあらかじめ費用の事などお話ししますので宜しくお願いします。

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Q2. 実際には、設計の作業はどんな流れになるんでしょうね?

A2.
大雑把に言って、基本設計 → 実施設計 → 施工者選定 → 工事契約 → 監理 という流れになります。
基本設計とは、設計条件を整理して、間取りや空間の構成を検討していきます。
施主の夢を大きく膨らませる大事な作業ですね。
何度も施主と打合せをして、細かい所も徐々に煮詰めていきます。
構造や仕上・電気設備・機械設備も、平行して方向性を決めていきます。
実施設計とは、内容をさらに煮詰めて、施工会社に発注し施工するための細かい図面を作成する作業のことです。
先日竣工した住宅の場合だと、A2版で65枚になりました。

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Q3. そんなに図面を書くんですか。 全部自分の所で?

A3.
自分で言うのも何ですが、枚数だけではなく、図面の密度も濃いと思っています。
それから、電気設備や機械設備は基本的な所を検討して、専門の協力事務所に詳細な検討や図面をお願いしています。
暖房の詳細な計算等も、やって頂いています。
構造は、鉄骨や鉄筋コンクリートであれば、構造計算と構造図を専門の協力事務所に依頼しています。
木造も特殊になれば、構造計算を依頼していますね。
ただ単に協力事務所にポンと投げるだけではなく、お互いに大きな所から細やかな所まで検討を繰り返し、建築としての完成度をより高めていくための努力を積み重ねています。
それに監理の時にも、さらに内容を煮詰めた図面を書いているんですよ。

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Q4. なるほどね。 その後はどんな作業になるんでしょうか?

A4.
施工者選定、つまり、実際にその建物を施工して頂ける会社を選定する作業に入ります。
予算内で納まって、施工会社としてしっかりしていている所が見つかれば、工事契約を締結します。
この作業と並行して進みますが、実施設計が終わった段階で検査機関に確認申請を出して、法規的に問題がないかをチェックして貰います。
監理とは、建設会社が本当にキチンと施工しているかどうかを設計者として監理したり、設計内容の細かい所まで意見を出し合って再検討し、最終確認する作業です。
計画案が良くても、建物としての完成度が低いとどうしようもありません。
ですから、建物が竣工するまで気が抜けないんですよ。
勿論、最後にメンテナンスという大事な作業が残っています。
それから、敷地選びの段階から係わる事もありますし、事業計画の段階から係わる事もあります。

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Q5. それでは、設計監理料はどの位になるんですか?

A5. 
建築の種類により、設計監理の難易度は大きく異なります。
倉庫のように大雑把な建物から美術館のように細やかな建物まで色々ありますので、一概に言えません。
面積によっても、作業量は異なってきます。
しかし、建物の規模が大きいほど設計監理の手間も増えますが、面積が倍になったからと言って、手間が倍になると言う訳ではありませんから、設計監理料も倍にはなりません。
いずれにしましても、上記のQ&Aで述べましたように、計画案を作成した時に設計監理料を算定して見積書も提示しますので、総合的に判断して頂ければと思います。
それから、設計料を高くするために工事費を吊り上げる事にもなりかねませんので、工事費に対して何%というやり方はしていません。

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Q6. 設計施工の場合、設計料は出てきませんよね。

A6.
表に出てこないだけで、実際には工事費に上乗せしているだけです。
設計料は、見えないだけでかかっているんですよ。
たとえ設計施工であっても、自分の設計内容に充分な価値を認めているのであれば、設計料をキチンと提示していいと思うんですがね。
実際には、ほとんど表に出てきません。
それに、いい物を安く造りたければ、我々のような設計事務所に依頼した方がずっと徳ですよ。

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Q7. そうですか・・。

A7.
設計施工であれば工事内容を細かく確認しておかないと、後から「これは見積りに入っていません」なんて言われて困ることになりますね。
「草刈りは見積りに入っていません」と言われて、自分で草を刈った人もいました。
施工会社に、足元を見られていますよね。
それに、最初から見積りに入っている物は仕事を取るために大きく値引きしますが、契約後はどうしても施工会社のペースになってしまいます。
後からの追加(オプション)や変更はほとんど値引きをしないで、そこで利益を確保していると言う話はよく聞きます。

先日ちょっと相談された話では、最初は安かったのですが、工事中の追加、追加で最終的に倍近い値段になったらしいですね。
この例では、追加で儲けるために、最初は最低限の内容で契約したのではないでしょうか。
それに、最初から施工に入っているのが当たり前のような物まで、追加見積りに記載されていましたから、呆れる話しです。
それから、敷地や建物に無駄な部分や使いにくい所は無いですか?
折角の空間が、居心地悪くなっていませんか?
もしかしたら、もっと気持ちのよい建物になったかも知れないと、思いませんか?
結局は、高い買物をしていませんか?

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Q8. そうですよね。 それはありそうですね。

A8.
それから、坪単価にも惑わされない事ですね。
ハウスメーカーでも、いわゆる坪単価を抑えて、色々な物を別途や付帯工事として分けているケースがほとんどです。
例えば、照明器具や外部の給排水、ガス、カーテン・ブラインド、キッチン、ポーチなど、建物として絶対必要な物まで別枠にしているので気を付けなければいけません。
私の場合は、特別に高価な照明器具やキッチンや、軟弱地盤などのように特殊なケースでない限り、分けて考えませんので安心してください。

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Q9. 納得しました。 ところで、施工会社は決まっているんですか?

A9. 
私の場合、特に決めてはいません。
実施設計の図面が出来上がった段階で、その建物に適切な施工会社を数社選択し、見積り合せを依頼します。
基本的に、その中で一番安い見積金額の施工会社と交渉し、お互いに合意した場合に施工を依頼しています。
ただ、この施工会社にお願いしたいというような要望がありましたら、相談に応じますのでお話しして下さい。
専門業者やメーカーについても同じです。

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Q10. 見積り合わせは珍しいですね。

A10. 
入札ですと合計金額だけですから、キチンと見積もりしているのか分からないですよね。
見積り合わせの場合は、材料の数量や単価などが明記された内訳書も出てきますので、その当りも確認出来ます。
それから金額ですが、高い施工会社と安い施工会社を比較したら、75%位の差が出たことがあります。
金額にして、ほぼ1億円でした。
これは極端な例ですが、大体は20〜30%位の差は出ますね。

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Q11. そんなに差が出るんですか?

A11.
そうですね。
同じ図面から見積もりしているのに、ビックリですよね。
建設費は値段があってないようなものだとよく言われますが、本当にそう思いますね。
でも見積り合わせは、細かいことまで明記した図面と仕様書がキチンと揃っているから、出来るんですよ。
それが曖昧な状態で見積り合わせをしても、どのような建物が出来るのかまるで分かりませんね。
A社とB社で使用する材料が違っていたら、まるで比較になりません。
見積りが安いからと言って、安かろう悪かろうでは困ります。
見積り合わせは、良い物を安くつくるための最適な方法だと思っています。

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Q12. それじゃ、監理もするんですね?

A12. 
勿論、ガッチリ監理します。
欠陥建築としないためには勿論ですが、建築としての完成度をもっと高めるためにも、当然必要なことです。
規模の大小に関わりなく、1週間に1度、現場で綿密な打合せを行います。
その他、工事の進捗状況に合わせ、しつこい位に施工状況の確認や打合せを行います。
そうすることで、お互いに納得のいく、使いやすくて心地よい建物が出来ます。

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Q13. 安心しました。 ところで、ローコストの場合でもやっているんですか。

A13.
勿論です。
今までやってきた建物の、ほとんどがローコストな建物だと思っています。
ただ、イニシャルコストを抑えても、後々のランニングコストやメンテナンスコストが大く膨らんでは意味がありません。
それに、建物としての快適性が犠牲になってしまったら、何のために建てたのか分からなくなってしまいます。
しっかりした物を造ると言う事を大前提に、総合的にローコストな建物をいつも追求しています。

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Q14. 確かに、建てた後のコストも十分考える必要がありますね。

A14.
そうですね。それを踏まえて、なおかつローコストを目指した方が良いと思います。
いつも心掛けているのは、無駄をなくする事ですね。
床面積がコストに一番ストレートに跳ね返ってきます。
無駄な空間を造らず、狭いけれども使い勝手もよく広く感じられるようにすることは、建物を設計する上で一番の基本ですね。
その他の無駄な物としては、意味のない凸凹、邪魔な壁や建具、過剰な装置や設備等々、色々考えられます。

ただ、難しいのは、一見無駄な様ですが実は非常に有意義な物もありますので、そのようなものはキチンと見極めながら極力大事にしたいと思っています。
それから、自然の力=太陽や風や地熱などを出来るだけ取り入れる事も大事だと思います。
無駄な物を造らず、あるものを有効活用する事が、一番のローコストだしエコロジーへの一番の近道ですね。
でも、今建てようとしている建物が本当に必要なものかどうか、もしかしたらそれが一番の無駄かも知れません。

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Q15. そうですよね。 後で建てなきゃよかった、なんて言われたら辛いですよね。

A15.
幸いそんな事はありませんが、もし言われたらこれ以上悲しい事はないですよね。
それからローコストとして考えているのは、安くてもしっかりした材料を使うとか、職人の種類を減らすとか、大事ではない部屋の仕上は省略するとか、合理的な設備や構造にするとか、きりがない位いっぱいありますね。

例えば、2階の床や屋根の構造を現しにする事がよくありますが、これもローコストの意味もあってやっている事です。
こうすると、天井仕上げが要らなくなるし、床板までが天井として使えます。
その分、全体の高さを低く抑える事も出来ます。
表面積が減れば、外壁の仕上面積も減るし、逃げる熱も減ります。
壁の構造を現しにしているのも、同じ様な理由ですね。
もう一つ、総合的なローコストとしていつも考えているのは、建物の寿命を長くする事ですね。

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Q16. 折角建てる建物ですから、長く使いたいですよね

A16.
ローンが終わった時が建物の寿命だったら、がっかりしますよね。
欧米に比べて中古住宅の流通が少ないのも、建物の寿命が影響していると思います。
木造でも法隆寺のように長持ちさせる事が可能なのですから、せめて50年位は使い続けたいですよね。
木造であれば、一番怖いのがシロアリや水による腐れです。
その為の対策として、床下には、全面防湿コンクリートを敷いています。
土台には、腐りにくい青森ひばを使用しています。
特に腐りやすいのはお風呂廻りですので、タイル貼りの場合には、ビルの屋根と同じような防水を施してから、仕上げを施しています。
外壁にサイディングをあまり使わないのは、コーキングが切れて雨水が浸入する可能性があるというのも理由の一つです。
外壁の左官も同じように、クラックから浸水する可能性があるので、慎重に検討する必要があります。
ローコストだからといって、安かろう悪かろうではいけません。

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Q17. 話しは変わりますが、建築を設計する時に特に大事にしている事はなんですか?

A17.
建築は、実際に人が長い間住んだり使ったりする物です。
一度建ったら、簡単に壊したりする事は出来ません。
ですから、一ヶ所でもおかしな所があってはならないと思っています。

おかしな所というのは、二種類に分けて考えると分かりやすいと思います。
一つは建築として求められる基本的な性能が、十分満たされているかどうかですね。
例えば雨が漏ったり、雪で壊れたりするようなら困ったものです。
そうならないように、絶えず目を光らせる必要があります。

もう一つは、見せたくない物は隠す、と言う事です。
人目に付く所に、オイルタンクやエアコンの室外機があったら興ざめですよね。
画竜点睛ならいいのですが、画竜点雨になったら話しになりません。
ただ、見せたくない物を何かで隠すだけでは、不十分です。
隠したい物の丁度良い置き場所を、早い段階で十分考えるという事です。
私の場合は、基本設計の段階からそのことは意識して考えていますね。
そうすることで、建築としての違和感が一つ一つ消えていくと思います。
確かな建築を創る。
その為に、当たり前の事を当たり前に実践し、一つ一つ丁寧に設計し監理する事を心掛けています。

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Q18. なるほどネ。

A18.
ただ、確かな建築と言うだけであったら簡単なのですが、それだけで良いはずがありません。
建築には、人々に感動を与えるような、何か心地よい=あずましい空間が必要だと思っています。
しかし、心地よい空間は簡単には生まれません。
様々な角度から検討を繰り返し、思考することが必要です。
たとえば、その空間性・視覚性は勿論ですが、空間を満たす光、窓から見える風景、肌に感じる空気の動きや温もりに湿度、手や足に感じる肌触り、音や臭い、さらには皆さんが主役となって行われる様々な「コト」も、空間を構成する大事な要素と考えています。
確かな建築で、しかも心地よい空間。
片方だけであれば簡単なのですが、両方を追求しなければならないのが、建築の面白い所であり大変な所だと思っています。
建築の奥が深い所であり、日々の悩みも深いですね。
でも悩んだ分、出来上がった建築は、総合的により心地よい物になっているような気がします。
苦労をしても、施主に喜んで頂ければ、私にとって最大の喜びですね。
第一に確かな建築を創ると言う事、第二に心地よい空間を創ると言う事。
この二つのレベルを上げる事で、建築としての完成度がぐっと高くなると思います。

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Q19. そうですよね。 私も心地よい=あずましい空間に住みたいですね。

A19.
折角、建物を建てるのですから、簡単に考えず、じっくり腰を落ち着けて考えたいですね。
建築は、皆さんの夢が何であるかを把握することからスタートします。
「内は普通ですよ」などと言っている施主さんでも、よくお話を伺うと皆さんとても個性的で、空間に対する自分なりの夢を持っています。
建築の設計は、施主の個性や夢探しでもあるんです。
その個性や夢を主張するのを諦めず、自分たちにとって何が本当に大事なのか、何が大事でないのか、私達と一緒に考えて行ければいいなと思っています。
多くの人は、その夢を最初から諦めていることがあるかもしれませんが、その夢を諦めないでください。
チョットした工夫で、夢が実現出来るかも知れません。
どうせ無理だろうと遠慮して、建物が形になってから諦めきれずに、「実はこんな事がしたかった・・・」と言われる事もあります。
間に合えばいいのですが、時既に遅く諦めなければいけないような場合は、本当に辛いですね。

私達は施主の個性を探し、夢を大きく膨らませ、世界で唯一の空間に具体化していくことが建築であると考えています。
あくまでも主役は夢であって、建築はその夢を支える静かな背景であって欲しいと思っています。
そして、皆さんの夢が詰まった建築を、少しでも心地よい=あずましい空間にしたいと願っています。
建築とは楽しいものです。
その楽しさは、電子レンジでチンするような作業からは、決して生まれません。
私達は施主と一緒にじっくりと夢を追いかけ、建築を考え、そして楽しみたいと思います。

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Q20. ハイ. 夢は諦めないようにします。 
   話しは変わって、例えば平面を考える時は、どんな事に注意してますか?

A20.
平面の前に、敷地や、敷地周辺の地域のことを考えますね。
気候や風土、それに風景や景観などなど色々な所に目を光らせ、土地の持つ固有の魅力を見つけ、建築のヒントになるようなものを探します。
その作業と平行して、配置をじっくり考えますね。
人間と同じで全ての敷地に、個性があります。
心地よい所とそうではない所が、必ずあります。
敷地内やその周辺に既にある物を出来るだけ大事にし、活用するようにしています。
それを見つけ出して、最適な配置を考えます。
それから、外構も同時に考えるようにしています。
このように、ローカルなことだけではありません。
同時に、グローバルにも目を向けるようにしています。
世界や日本の建築の流れや、世の中の動きなどにも注目するようにしています。
建てようとしている建築の向かっている先が、方向音痴だったら困りますものね。

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Q21 平面の前に、色々考えることがあるんですね。

A21.
実際には、平面と配置は平行して考えますね。
平面の中で無駄な所を無くするのは勿論ですが、どこか楽しく心地よい所を創るようにしています。
それから、平面を考えながら立面や断面や仕上げや構造など、様々な事を同時進行で考えています。
住宅を例にして、分かりやすいお話しをしましょうか。
例えば、廊下を無くして、全体が一つの空間であるように考えますね。
部屋がそれぞれ廊下や壁で仕切られていたら、1+1は2にしかなりません。
ですが、チョット工夫して部屋と部屋を直接つなげることが出来れば、1+1は3にも4にもなります。
これに外部空間も足すと、1+1は無限大に膨らんでいきます。
廊下の分広く感じられるし、部屋同士が一体になりますから空間も格段に広く感じられますね。
壁が少なくなりますから、コストダウンにもなります。
部屋を区切りたい時は、引戸で緩く仕切れば便利ですね。
引戸は、開き戸と違って、開いてる時も閉じてる時も邪魔にならないので、違和感がないですね。

しかし、どうでも部屋と部屋をくっつけて良いという訳ではありません。
なんの配慮もなしに、居間から丸見えの所にトイレがあったら、誰でも嫌ですよね。
しかも、昔の作り方のままなら、冬は寒くてどうしようもありません。
1+1が0になってしまいます。
そんな事にならないように基本的な性能を十分確保した上で、しかも心地よく楽しい空間になるように、頭を柔軟にして色々な事を考えています。
我々の設計した建物では、ホームパーティをちょくちょくやっている例が沢山ありますね。
人が集まるのは、1+1が3にも4にもなっている効果かもしれません。
それから、住宅であれば家族の距離感が、非常に大事だなと思っています。

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Q22. 距離感・・ですか?

A22.
そうです。家族同士の距離感が非常に近い場合もあれば、みんな「大人」でほとんど顔を合わせないような家族もいると思います。
普段はバラバラなのに、家族としての一体感が非常に強い場合もあります。
色々ですね。
二世帯住宅の場合、スープの冷めない距離などと表現されているように、世帯間の距離感が話題になりますね。
一世帯の場合でも、もっと距離感というものを考えて良いと思いますよ。
玄関を入ったら目の前に階段があって、2階の子供部屋に直通しているような家の場合、その家族はどうなるでしょう?
子供が家に帰っても、家族は全く気がつかない。
部屋に籠もったら中で何をやっているのか、お互いさっぱり分からず、食事の時だけ顔を合わせるような生活になりそうじゃありませんか?
そのうち、食事もそれぞれ勝手に摂るようになるかも知れませんね。
それより、いつもお互いの気配が感じられるような空間の方が、家族同士のコミュニケーションも活発になり、楽しそうじゃありませんか。
風通しのよい家は、コミュニケーションの風通しも良いんですよ。

余談ですが、子供部屋でいつも勉強する子よりも、家族のいる居間や食堂で勉強する子の方が、学校の成績が良いというデーターがあるそうですね。
今現在、家族同士の距離感が遠くても、折角住まいを建てるのですから、これを機会に家族同士の距離感がグッと近づけられたらいいなと思っています。
でも、全ての空間が、近い距離感になっている必要はありません。
書斎のように、一人の時間を大切にするような空間があってもいいですね。
その部屋から出た時に、グッと家族の距離感が近くなっていればいいと思いますよ。

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Q23. なるほど。 そう考えると、色々面白くなりますね。

A23.
距離感について、もう一つ別の角度から見てみましょうか。
最近多いのは、夫婦別寝ですね。
たとえ夫婦でも、ベットをくっつけて寝るのはチョット・・・、と言うパターンは増えているらしいんですよ。
お互いに寝る時間がずれているとか、イビキや赤ちゃんの夜泣きで困っているとか、寝る前に本を読む習慣があるとか、色々な理由からそうなっているらしいですね。
この場合も、寝室を二つのコーナーに分けて、建具で仕切ったり、間に両方から使えるクローゼットを挟んだりとか、アイデア次第で様々な事が考えられます。
勿論、まるっきり別室にする事も考えられます。
最も、その場合は、夫婦別室と言うらしいですけどね。
つまり、距離感を詰めればいいと言う単純な話しではなく、色々な距離感が考えられると言う事です。
皆さんの、家族の距離感はどうですか?
距離感をもうチョット意識して、建築を考えてみませんか?

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Q24. 住宅の問題は、家族の問題ですね。

A24.
そうですね。
建築は。色々な問題と密接に連動しています。
単に形を作ればいいと言うわけじゃありません。
住宅であれば、施主の趣味や嗜好も空間に大きな影響を与えます。
医療施設であれば、そこで行われている医療行為や療養行為を知ることで、もっと心地よい空間を提案することが出来ます。
事務所であれば、その事業内容や組織形態それにCI(コーポレートアイデンティティ)にまで踏み込んでくことで、新たな展開が見えてきます。
どうですか? 建築以前の事が、とっても大事なんですよ。

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Q25. 本当ですね。 建築ってとても幅が広いし、大事ですね。

A25.
そうですね。
同じ施主・同じ敷地は一つもないのと同じように、同じ建物は一つもありません。
全てオリジナルです。
世界にたった一つの建築を、施主と一緒に創る作業は、とっても楽しいものです。
ハウスメーカーのようにカタログの中から平面や仕上を選ぶという作業は、数字的にはもの凄い数の組合せがありますが、はたしてそれで良いのでしょうか。
私にはどうしても、電子レンジでチンするのと同じような作業に見えてしまうのですが。
食事ならたまにはチンしても構わないのでしょうが、建築は施主にとってとっても大きな買物です。
もっとじっくり考え、もっともっと楽しんで良いのではないでしょうか。

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Q26. はい、分かりました。 話しは変わりますが、アラハバキってなんですか?

A26. 
昔、北東北を中心に大きく栄えていたと言われる、国の名前です。
部族の名前や神の名前としても、使われていたようです。
その最後の姿が、十三港の安藤水軍だと言われていますが、詳しいことはよく分かっていません。
津軽も当研究所も、この国のように栄えて欲しいとの思いから、名前を拝借しました。

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Q27. またまた話しは変わりますが、暖房は何が良いんでしょうね?

A27. 
実は、いつも悩んでいます。
明確にこれしかないと言えるような物はありませんので、建物の使い勝手や使う人の好みなどの条件に合わせ、今まで色々な方法を試してみました。
床暖房やパネルヒーター・FF式ストーブ・ファンコイルユニット・蓄熱型電気暖房(いわゆるオール電化)などの一般的な暖房方式の他に、薪ストーブや床下暖房もやってみました。
床下暖房とは、床下に熱源を置いて建物全体を暖める方式で、床下にFF式ストーブを置いたり、石油熱源の床下放熱器や蓄熱型電気暖房機も採用したことがあります。
適材適所で、それらを組み合わせることも多いです。
それぞれの方式に長所と短所がありますから、その建物に合わせ最適な暖房方式を選択した方が良いと思います。
そして、その能力を最大限に発揮出来るよう工夫することで、快適な冬の生活を送ることが出来ると思います。
それと、現在計画中の建物は、深夜電力を利用した氷蓄熱方式のエアコンで、冷暖房する事を考えています。
この方式も、ランニングコストが安いのでいいですね。

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Q28. 色々やっているんですね。

A28.
青森県は寒冷地ですから、暖房については十分に検討しなければいけませんね。
勘違いしやすいのですが、暖房で暖かくすると言うよりも、寒い所を無くするのが快適に過ごすポイントだと思います。
なおかつ、暖房器具が邪魔にならないようにレイアウトするのが、いつも悩む所ですね。
それから、もう一つ勘違いしやすい事があります。
○○の暖房は暖かいという話をよく聞きますが、それは暖房と言うよりも建物が暖かい、つまり断熱性がよいと思って頂いた方がよいかと思います。
そうでなければ、暖房が過剰な場合ですね。

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Q29. そうですよね。 建物の断熱性能は大事ですよね?

A29. 
次世代型省エネルギー基準という現在最高レベルの省エネ基準がありますが、当事務所では基本的にそのレベルか、それ以上のレベルで断熱材の厚さや気密性・開口部の仕様などを決めています。
次世代省エネルギー基準は、品確法の等級4(最高レベル)に該当します。
それから、木造・鉄骨構造であれば断熱材としては発泡プラスチック系断熱材を、工法としては外断熱にする事が多いですネ。
繊維系の断熱材はつぶせばその分断熱性能が落ちますが、発泡プラスチック系断熱材はつぶれないのでそのような心配がありません。
内断熱であれば、木材と断熱材の間が全て断熱や結露の欠陥になりやすい所ですが、外断熱であればそれがありません。
気密性能の確保も、簡単に出来ます。

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Q30. 色々メリットがあるんですね。

A30.
そうですね。 壁の中は基本的に空洞になりますから、内壁を貼らず構造を完全に現す事も出来ます。
例えば、自由ヶ丘の家 大清水のアトリエ 光城の家 等です。 
その他、千年の家では、部分的に壁構造を現しにしています。
HPを覗いてみてください。
基本的な柱の大きさは105mmありますが、この105mmの奥行きを大事にしたいですね。
全面的に壁構造現しにしなくても、壁の空洞部分を収納として利用したり、間柱を薄くする事で部分的に部屋を広げたりする事も出来ますね。
トイレなどは、同じ半間巾でも随分広くなったように感じられます。
それから、外断熱であればその分壁が厚くなるので、必然的に窓の奥行きも大きくなります。
外から見ればフラットでも、内側から見れば出窓のようになります。
出窓であれば、何かを置いて飾り付けをする等、色々な活用法が浮かんできますよね。
勿論、外壁だけではなく、内壁も同じように壁の厚みというものを利用出来ます。
アイデア次第ですね。

世の中には様々な断熱材・様々な施工方法があります。
どのような方法であってもキチンと施工すれば、一定レベルの断熱性能が出て快適な内部環境になります。
反対に、いい加減にやると寒いし、結露を起こして大変なことになります。
勿論、我々も監理者として施工がキチンと行われているかを、確認しています。
それから、構造やデザインによっても、考え方は左右されます。
いずれにしても、それぞれの方法に長所と短所がありますから、それらを十分理解した上でやり方を選択した方が良いと思います。

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Q31. ただ暖かくすると言っても、色々あるんですね。

A31.
そうですね。分かりやすい例を紹介しましょうか。
自動車の中の温度を、例えば25℃に設定したとしますよね。
同じ25℃でも、冬であればオーバーを着ているのに、夏であれば半袖のままなんてことありませんか?
同じ室温でも壁や窓が冷たいかどうかで、これだけ違うんですよ。
それに、暖房する時は足元から温風を出した方が、気持ちよくないですか。
冷房であれば反対ですね。
まさに頭寒足熱です。

それから、建物全体の断熱性能を上げると、少ないエネルギーで建物全体を暖房する事が可能になります。
そうすると、寒い部屋はなくなりますので、部屋毎に空間を仕切る必要がありません。
廊下やトイレ、それにお風呂もいつだって温かいんです。
つまり、建築をもっと大きく、自由に考える事が出来るんですよ。
技術の裏付けがあって初めて、空間をデザインする事が出来るのです。
どうですか? そう考えると可能性はどんどん広がって、楽しくなりそうですよね。

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Q32. 本当ですね。 そう考えると建築の可能性が広がって、楽しくなりますよね。 

A32.
空間を仕切らないと、他にもメリットがあるんですよ。
全体を大きくとらえて、空気が自然に循環するようにすると、湿気や臭いがどこかに籠もると言う事も無くなります。
明りだって同じです。
ある人は、「子供を一人だけ仲間はずれにすると、ぐれるでしょ? 空間も一ヶ所だけ仲間はずれにすると、ぐれるんですよ」と言ってます。
面白い表現ですよね。

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Q33. 確かに面白い表現ですね。 所で、ソーラーシステムはどう考えていますか?

A33.
うーん・・・。 狭い意味でのソーラーシステムは、積雪地では難しいですね。
ソーラーシステムは大きく3種類あります。
一つは屋根に太陽熱利用の給湯器を置くタイプで、一つはソーラー発電で、もう一つは屋根面で暖められた空気を暖房に利用するタイプですね。
どれも、南向きの屋根に当たる太陽熱を利用しているんですが、冬に雪が積もっていたら機能しません。
ですから、屋根を急勾配にして雪を自然に落とす事になると思うんですが、殆どの場合は居間の目の前に雪の山が出来る事になりますよね。
例えば南側が水路でいくらでも雪を落とせるような場合ならば良いのですが、そのような条件の敷地はあまりありませんね。
でも、太陽の恵みである光や暖かさは、いつも意識して計画しています。
太陽は一番の暖房だし、一番の照明だと思っています。

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Q34. なるほどね。 ところで、外壁にカラー鉄板を使っていることが多いみたいですね?

A34. 
外壁って、屋根と同じ位雨や雪に痛めつけられているんですよ。
だから、壁にも屋根と同じ位の耐候性を持たせたいので、いわゆるガルバリウム鋼板という非常に錆びに強い鉄板をよく使っています。
それから、上のQ&Aとも関連するのですが、外断熱工法に適した素材である事と、当事務所のデザイン上の好みもありますネ。
でも、木や左官・吹付・サイディング・タイル・コンクリート打放し等々、色々やっています。
勿論、施主の好みがあればそれに合わせて考えますので、何でもお話しして下さい。

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Q35. 他に素材を考える時に、特に気を付けている事はありますか?

A35.
そうですね、床や壁や天井は建物の本質ではなく、それによって囲まれた空間が本質だと思っています。
ですから、イメージしている空間に合う素材を、選択するようにしています。
それから、基本的に安くても良いから、しっかりした物を使うようにしています。
それと、うそをついていない、ホンモノの材料を選択するようにしています。
石ではないのに石のようなサイディングとか、木じゃないのに木のようなクロスなどは使いませんね。
ホンモノは時間の経過と共に美しくなりますが、ニセモノにそれは期待出来ません。

極端な例で説明しましょうか。
以前、国宝の茶室を見たことがありますが、長い歴史と共に古びて、いわゆる「きれい」な建物とは言えなかったと思います。
でも、実に「美しい」建築でした。
空間のプロポーションや、光の入れ方など様々な要因があると思いますが、使われている素材が全て「ホンモノ」であるということも大きいと思います。
皆さんも、同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか。

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Q36. 確かにそうですね。 「きれい」と「美しい」は違います。
   それに騙されないように、気を付けなければいけませんね。

A36.
そうですね。それから、素材の組合せや納まりをどのようにするのかも、非常に大事ですね。
例えば建材として優れた素材の一つに石がありますが、石の貼り方によっては安っぽく見えたり、高そうに見えたりします。
高価な物が高く見えたり、安物が安く見えたりするのならまだ良いのですが、高い物が安く見えるのでは話しになりません。
安いは良いのですが、安っぽいのは許せませんね。
当たり前の話しですが、同じ素材を使うのであれば、安い物を高く見せた方が良いし、高い物でもさらに高く見せた方が良いですよね。
その為には、詳細に渡る様々な工夫や配慮が必要になってくるんです。
それから、シックハウスやアスベストなどの問題が起きないようにすると言う事は、当たり前の事です。

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Q37. 本当ですよね。 では、構造はどう考えてますか?

A37.
建築の構造は、基本的に木造・鉄骨構造・鉄筋コンクリート構造(RC造)などがあります。
木造は日本人に最もなじみが深く、体にも優しい構造だと思います。
鉄骨構造は、軽快なシステムなので広い空間を造るのに適していますし、壁を造りたくない場合やアクロバットな構造に適しています。
RC造はガッチリした構造で、耐火性や遮音性に優れています。
それぞれに長所短所がありますので、総合的に判断して構造を決めています。
そして、その構造の特性(魅力)を、最大限引き出すようなデザインを追求します。
適材適所で、それらの長所を組み合わせる事も多いですね。

ちなみに大清水のアトリエでは、大きく木造・鉄骨構造・鉄筋コンクリート構造の三種類が混在しています。
さらに同じ木造でも一般部分は在来工法ですが、屋根はツーバイフォー工法ですし、壁の一部は材料は在来工法用で考え方はツーバイフォー構造になっています。
ですから、合計すると5種類の構造が混在する混構造の建物です。
別に種類を増やしたくて増やしたのではないのですが、こうしたいという空間があってそれに最適の構造を追求したら、自然とこのような結果となりました。

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Q38. なるほどね。 構造設計も自分の所でやっているんですか。

A38.
鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造は、構造の専門家に依頼していますが、一般的な木造であれば自分達で構造計算し構造図も作成しています。
構造計算書も作成して、皆さんに差し上げています。
地震や積雪、それに風などに十分耐えるようにする事と、歩行時の床の撓みで不快感を感じないようにする事など、様々な角度から検討しています。

構造で一番大事なのは、計画した空間に合う、最も合理的な構造システムにする事ですね。
上や横からの力が、スムーズに基礎等の構造体に伝わる様に考える必要があると思います。
良い平面は構造システムとしても合理的で、しかも無駄のない、経済設計になっていると思います。
反対に合理的でない構造システムの場合でも、無理矢理構造計算して設計する事も可能ではありますが、柱や梁がアンバランスな位大きな物となってしまいます。

その他のポイントとして、基礎や柱・梁・壁などの構造をバランス良く配置する事と、法律というマニュアルで決められた数字をあまり過信しない事ですね。
例えば、建築基準法では最低限必要な壁量を決めていますが、多雪地である青森県の場合には充分とは言えません。
先日計算した事例では、法律の1.8倍必要でした。
大事なのは計算に頼るだけではなく、地震や風や雪によって建物がどうなるかを、どれだけイメージ出来るかという事だと思います。
経済設計は勿論大事ですが、このような所は大事にしたいですね。

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Q39. 法律の1.8倍とはビックリですね。 ところで、壁量ってなんですか?

A39.
地震や風など横からの力は、構造壁で受け止めます。
壁量とは、建物の床面積当りどの位の構造壁が必要かという規準で、よく筋交という斜めの部材で補強する事で構造壁にしていますね。
壁に太い筋交を入れれば構造壁はそんなに必要ありませんが、反対に細い筋交であれば沢山必要になります。
私共では、筋交の代わりに外壁全面に構造用合板を貼って、全体を頑丈な箱のようにしています。
これだと、窓の上や下は計算上の構造壁にはなりませんが、余力として大いに働きます。
それに、柱や梁が構造用合板で一体化するので、地震時に歪んだりバラバラになるのが防止されます。
同時に、気密性も向上します。
それでも不足する所や、さらに補強したい所に、筋交を入れるようにしています。
このような事をしっかり確認する事ではじめて、丈夫で心地よい建築が出来上がります。

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Q40. リフォームも、やっているんですか?

A40. 
勿論やりますよ。
建て替えであれば、どうしても敷地の持っている過去からの時間の流れが途切れてしまいます。
リフォームの場合は、その流れが切れずに連続していきます。
既にある物を大事にすると言う心構えは、どんな場合でも大事にしたいですね。
それから、新築と違って既存建物という絶対的な条件がある分、普段考えないようなことも考える必要がありますから、結構充実感がありますね。
新旧が組み合わさった空間は、予想外に面白い建物になって、自分でもビックリする事があります。
たとえ解体する場合でも、使えそうな部材があれば、何らかの形で再利用するようにしています。
リフォームは、数えてみたら今まで18件やってました。
内訳は、増築+既存のリフォームが11件で、リフォームのみが7件です。
住宅やマンション・事務所・病院・福祉施設、それにレストランなど様々です。
思ったよりも多くて、自分でもビックリしています。
主な例は 新寺町の家 越水の家 オリオン歯科リフレッシュ 八反田の家 等です。 HPを覗いてみてください。

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Q41. でも、リフォームは大変でしょ?

A41.
現況の調査もしなければいけませんから、確かに大変ですね。
解体しないと分からない事は、沢山あります。
見えない所を予想しながら検討を進めるのは、どうしてもじれったい気持ちになりますね。
それから、蛇口を取り替えるだけでもリフォームだし、文化財のように骨組みの状態にまでばらしてからやるのもリフォームです。
どこまでやるのか、判断に迷う場合が非常に多いですね。
それに、折角リフォームするのですから、構造的な問題も一緒に解決したいですよね。
リフォームの方が、新築の場合よりも建築的に高度な判断が必要だと思っています。
それから、リフォームの場合、どうしても現況調査に多くの労力を必要とする事があります。
その時は現況調査費として別に頂く事もありますが、了承してください。
それから新築の場合でも、将来のリフォームを意識しながら設計しますね。

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Q42. ほー! 具体的にどうしてるんですか?

A42.
木造の場合であれば、壁量に余裕を持たせますね。
それから、外壁に構造壁を集中させ、出来るだけ間仕切り壁を構造の壁にしないようにしています。
そうすれば、柱は無理ですが壁は撤去出来ます。
鉄筋コンクリート構造なら、余計な鉄筋コンクリートの壁を作らないようにします。
それと、将来、間仕切りをいじりそうな場所は、床や天井を仕上げてから、間仕切り壁を作るようにしていますね。
そうすれば、壁を撤去した時に床や天井に穴が空いている、などと言う事もありません。
将来二つの子供部屋をまとめて、一部屋にしたい時も簡単ですね。

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Q43. 確かに壁を撤去した所から、床下や屋根が見えたりしたらリフォームも大変ですよね。

A43.
そうですね。
壁を建ててから、部屋毎に床や天井を工事すると、隣の部屋と微妙にレベルがずれている事があるります。
でも、天井と床の施工を壁よりも前にすれば、その心配もありません。
それと、リフォームと近いのですが、コンバージョンというのもあるんですよ。

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Q44. コンバージョン ってなんですか?

A44.
リフォームとは、用途変更を伴わない改装の事を言うんですよ。
例えば、住宅を改装して、そのまま住宅として使ったりするような場合ですね。
それに対してコンバージョンとは、用途変更しながら改装する事を言います。
そのような目で見れば、コンバージョンしたらもっと活用出来るのにナー、というような建物が町中に点在していませんか。
例えば、事務所をコンバージョンして集合住宅にするとか、ショッピングセンターをコンバージョンして福祉施設にするとか。
よく、観光地で昔の建物を改装して、資料館などとして活用しているのを見かけますよね。
これもコンバージョンの一例ですね。
まだまだ構造的に大丈夫なのに、機能的に古くなったからといって解体される建物が本当に多いですよね。

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Q45. 本当に勿体ないですよね。 

A45.
弘前でも中心部の人口減に合わせて小学校を統合させてたために、余った校舎をどうしようかと悩んでいるようですね。
これなんかは、共同住宅にしたらいいと思いますよ。
普通教室の大きさは、マンションで言う3LDKくらいの大きさなので、丁度いいですよね。
勿論、3LDKとか固定的に考えないで、大きくワンルームにしたり、SOHOにするなど発想を柔軟にして考えたいですよね。
コーポラティブやコレクティブハウスも、面白いと思いますよ。
小学校が共同住宅になるって、楽しくないですか?

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Q46. 又、専門用語が出てきましたね。

A46
SOHOというのは、Small Office Home Officeの略で、自宅などを仕事場にするという意味です。
インターネットの普及で、会社に居なくても仕事が出来ることから、最近増えているんですよ。
コーポラティブハウスというのは、入居希望者が共同で事業主になり、土地の取得から設計者・建設業者の手配までを行うことを言います。
いわゆるディベロッパーを通さないので、広告費などはかかりませんから、安く出来ます。
それに、平面や仕上なども自由に出来ます。
その代わり、何でも自分たちでやらなければいけないし、皆さんの合意形成に手間取るかも知れません。
でも、完成した時の満足感や完成後のコミュニティのことを考えると、それまでの苦労は吹っ飛んじゃうでしょうね。
コレクティブハウスというのも、共同住宅の一種です。
それぞれの私生活の部分とは別に、共用の食堂や台所・居間などを確保し、生活の一部を共同しようと言うものです。
どうです? 集合住宅というのは、色々な形態があるんですよ。

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Q47. なるほど。 色々あるんですね。 

A47.
そうですね。 集合住宅だけでも、新しい形態がまだまだあると思いますよ。
頭を柔軟にして、もっと自由な発想をしていいと思います。
それからもう一つ、コンバージョンのアイデアがあるんですが。
小学校を、お年寄りの施設にするというのはどうでしょうか。
眺めのいい2階は居住施設にして、1階は通所のデイサービスセンターにしてもいいですよね。
昔、この小学校に通っていたお年寄りが、喜んで通って来そうじゃないでしょうか。
お年寄りにも当番を決めて、「今日は給食当番だ」とか、「明日は図書委員だね」なんてやると、もっと楽しそうじゃないですか?

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Q48. 学校ごっこですね。 お年寄りも若返りそうですよ。そのアイデア、市で採用しないかナー? 

A48.
だけど、先日聞いた話では、学校として国から補助金を貰っているので、廃校になったからと言って学校以外の用途に使うのは、目的外用途になるので問題になるらしいですね。
ただ、庁舎として使用するのは、許されるらしいとのことでした。
廃校になる位ですから古い建物なのですが、それでも国の規制が絡んでくると言うのは、呆れるやら、情けないやら、無茶苦茶腹が立ちますね。

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Q49. 本当ですか? 腹が立ちますね。

A49.
補助金を返せば自由に出来るみたいですが、元々は同じ税金ですから、それを返すというのも変な話しで腹が立ちますよね。

話がそれましたね。 気持ちを切り替えて、元に戻りましょうか。
中心市街地の施設が余ったり、商店街が廃れたりしているのは、中心部の人口が減っているからです。
人口とは、そこに住む人だけでなく、そこに通って来る人、つまり昼間の人口も含めて考えた方がいいと思います。
たとえば、学校とか事務所とか役所とか施設とか、色々ありますよね。
中心部の人口が増えれば、心配しなくても自然とお店も増えてきます。
それなのに、無理に再開発して集客施設を作っても、根本的な問題を解決していないから結局は破綻しそうですよね。
順番を変えて、中心部の人口を増やすことだけを考えた方が、中心市街地活性化への近道だと私は思いますけどね。

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Q50. 色々考えていますね。 もしかして、都市計画もやっていたりして。

A50.
都市計画というと大袈裟ですが、地区計画は何度か関わっています。
仙台の商店街近代化計画や、鳴子町の鳴子峡整備計画等にも携わっていました。
それから、青森市都市基幹公園ビジョン調査も、縁があってやっています。
その建物だけを見れば大変立派であっても、地域の中の一つの存在として見た時に問題があればどうしようもないですね。
建築家は狭い意味での建築だけをやっていても、限界があると思います。
もっと視野を広げて地区計画的なマクロの視点や、インテリア的なミクロの視点も養って、多角的に建築を考える必要がありますね。

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Q51. と言うことは、例えばお店のインテリアも、やっているんですか?

A51.
実は、インテリアデザインは好きなんです。
仙台にいた頃、インテリアデザインの事務所に、武者修行に行った位なんです。
ブティックが多かったですね。
ルイシャンタンやFACE A FACEやコルディアなど、名前もお洒落ですが、インテリアもそれと同じ位お洒落なお店でしたね。
建築は、外観がよくてもインテリアが駄目だと、退屈でどうしようもないですからね。
建築にとってインテリアは、非常に大事な要素だと思っています
弘前で事務所を開いてからも、フランス料理のレストランを1件やっています。
家具だけをお願いされたこともあります。

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Q52. 又話しは変わりますが、家相については、どう考えていますか?

A52.
家相と聞けば「迷信じゃないの?」と思う人もいると思いますが、家相には家造りのための知恵が一杯詰まっています。
昔の人は家相という形で、人の健康や建物を長持ちさせる事などを考え、後世に伝えたんでしょうね。

例を挙げて説明しましょうか。
例えば、「台所が南西にあるのは大凶」というのがあります。
大凶と言われれば、ビックリして、絶対守らなければいけないと思いますよね。
確かに南西は裏鬼門なのですが、「南西の部屋は日当たりがよく、温度が上がるので食べ物が腐りやすいですよ。」という意味なんですよ。
言い換えれば、「食べ物の廻りの温度は上がらないようにしましょう」と教えているんです。
今だったら冷蔵庫はあるし、それに西に木を植えたら、西日を気にする必要がないかも知れませんね。
もしかしたら、西隣に家が迫っていて、西日が当たらないと言う場合もあります。
このように敷地条件を読み込んで問題となるところを解決した上で、台所を明るい所に持っていけば、気持ちのよい空間になりますよね。

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Q53. なるほど。 他にも何か面白い例はありますか?

A53.
そうですね。「風呂桶を壁に寄せて置くのは凶」と言うのもあります。
どうですか? この家相を守っている家は、ほとんど見かけませんネ。
よほど大きな浴室のある銭湯や温泉なら、この家相を守っている所もありますけどね。
この家相の意味は、「昔の風呂桶や内装は木製なので、風呂桶を壁から離して乾燥させ、腐らないようにしましょう。」という事なんです。
でも、今だったら腐らない素材が沢山あります。
それに、換気扇は当然付けますし、それでも心配なら、天井埋込みの換気乾燥機もあります。
もし、風呂桶や内装を木製にしたい時は、この家相を読み替えて木が腐らないようにする事と、木が腐っても取り替えやすいように工夫すれば良いんですよ。
ちなみに、私の所ではよく浴室を床暖房しています。
冬は暖かいし、乾燥が早いので本当に便利です。
冬の物干場にも活用出来ます。

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Q54. お風呂の床暖房は気持ちいいでしょうね。 ところで、耐震診断はやってますか?

A54. 
はい、やっています。
木造住宅を想定した耐震診断の方法が、日本建築学会等から出されています。
基本的に目視とヒヤリングによる簡単な方法ですが、これで大体の目安が分かると思います。
古い木造住宅をリフォームしたいという場合などに、参考になるのではないでしょうか。
勿論、もっと本格的にやる事も可能ですよ。

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Q55. 日本の木造住宅は、耐用年数が短い気がしませんか?

A55.
特に戦後すぐの頃はバラック建築が多く、それが建て替えの時期を迎えていますから、日本の木造建築は耐用年数が短いようなイメージがありますよね。
でも、世界で一番古い木造建築は法隆寺ですから、日本の木造建築が一概に耐用年数が短いとは言えないと思います。
法隆寺の場合、飛鳥人の知恵がしっかりと建物を守っていると言うことと、建物が人々に愛され続けたからでしょうね。
一般的には、20年ごとに建て替える伊勢神宮は極端な例ですが、日本は安普請に造って古くなったら建て直すと言う考え方が伝統的に根強いと思います。
それと欧米のように自分でメンテナンスするDIY的な考え方が、薄いような気がします。
要は、建築に対する人々の意識の問題だと思います。

もう一つ、日本は雨が多いと言うのが大きいのと思います。
つまり、雨が多いために山に行けば木が豊富にあって、材料調達にあまり困らない(昔の話しですが)ですよね。
それと、雨で屋根や壁が傷んだり、床下の湿気で木が腐っていることも多いですね。

しかし、これからは耐用年数が長い建築であるべきだと思います。
じっくり吟味して、しっかりした建築、末永く愛される建築を創っていくべきだと思います。
そうしないと、暮らしは豊になっていかないのではないでしょうか。

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Q56. 模型をよく作っていますね。

A56.
そうですね。
施主さんにお見せする模型の他に、簡単なボリューム模型も沢山作っています。
建物や空間のイメージを理解するためには、模型が一番適していますね。
施主さんにとても喜んで頂けますので嬉しいのですが、本当は施主のためと言うよりも、自分達で検討し確認し納得するための模型なんですよ。
図面では分かりにくくても、模型があれば一目瞭然です。
ことわざで言う「百聞は一見に如かず」と似ていますね。
それと、模型を見ていると、新たな発想やアイデアが出てきますね。
あずましい「空間」を創りたいといつも考えていますので、その為には自分の手を動かしながら空間を確認出来る模型は最適の方法だと思っています。
それに、図面やパースは2次元ですので、どうしても3次元である空間を表現するのに無理がありますね。

それから、絵としての表現に、どうしても誤魔化されてしまいます。
つい建築の本質からずれて、形としての面白さや表層のデザインに走る傾向があるような気がします。
その点、模型は誤魔化しが利きません。
事務所にいっぱい模型がありますから、どうぞ見に来てください。

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Q57. 庇を大きく出している建物が多いですね。

Q57.
少しくらい雨が降っても、窓を閉めないでいたいですよね。
冬でも、居間の窓の前にあんまり雪が積もっていない方が、気持ちいいですよね。
太陽が出ていても、庇で眩しさや暑さを遮ってくれると嬉しいですよね。
雨が降っても、外で遊びたいですよね。
雨や雪で、建物が痛まない方がいいですよね。
雨が降っても、あわてて洗濯物を取り込まなくていいのも助かりますよね。
買ってきた物や、自転車など、とりあえず屋根の下に入れておけば雨が降っても安心ですよね。
それに、庇の下にいると、気持ちが落ち着きませんか?
そんな色々な事をコントロールして、建物や人間を守ってくれたり、心地よくしてくれたりするのが庇なんですよ。
日本は雨や雪が降る地域ですから、その風土に合わせた建物にしたいですね。
予算がないと直ぐ削られますが、大事にしたいですね。

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Q58. そう言えば、津軽には「こみせ」と言うのが昔からありますね。

A58.
基本的に「こみせ」は冬のためと思われるかもしれませんが、冬以外にも大変重宝する物ですね。
「こみせ」があると、何となく外に出たくなりませんか?
「こみせ」に椅子を出して、モーニングでも食べたくなりませんか?
我々の設計する建物にも、「こみせ」はよく登場しますよ。
たとえば、 四季彩館 すばる103 県営住宅 山田団地 等です。
他にも住宅などに例が沢山ありますので、ホームページの中を覗いてみて下さい。



Q&Aは、随時追加しています。
  1. 1993/06/01(火) 01:00:00|
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