■ 堂野前のお寺 (寶光山 久成寺) ■手狭で老朽化した日蓮宗のお寺の一部を、建て替えた物です。
既存の本堂は手を付けませんでしたが、それに連続する既存位牌堂は改装しています。
増築可能なスペースは既存の本堂や池・水路に囲まれた非常に狭い場所で、地盤は奥に向かって傾斜があり最大2.3mものレベル差がありました。
しかも、本堂では通常の宗教活動を中断する事は出来ません.
このような複雑に絡み合う諸条件の中で、増築の1.2階には寺の機能を最大限の広さで確保し、檀家の皆さんが心地よい安らぎの時間を過ごせるように、様々な配慮をしました。
光と風が溢れ眺めの良い3階には、住職の家族のための庫裡としています。

道路側外観です.
道路から見ると1階は半地下の状態です.
3階は庫裡です.
下から、コンクリート打放し、厚さ50mm中空セメント板の素地、アルミ亜鉛合金鍍金鋼板と、上に行くに従って軽い仕上としています。

正面外観. 右端は既存の本堂です.
道路際には、赤御影の門柱が6本建っています.
手前駐車場は、埋設配管に地下水を循環させて融雪しています.
ランニングコストはポンプの電気代だけですので、とても省エネです.

木製格子内部の外部階段を上がった所が、玄関です.
敷地は、奥(右側)に向かって傾斜しています.
高低差は全体で約2.4mあります.

本堂玄関から見た所です.
手前は新設した橋と、既存の池です.

南西側外観です.
中央のスリット窓部分は階段室、右の1.2階スリット窓部分は廊下です.

階段室外観です.
窓からは本堂と池が見えます.

夜景です.

水路を挟んで裏にある墓地からの外観です.
既存と増築の間は、地下水を利用した融雪スペースです.

裏側外観です.
ここから見える増築部分は1.2階共に位牌堂で、半円部分は開山堂になります.

外部階段です.
ここから玄関に入ります.

2階にある玄関です.
寺務所は2階にありますので、管理などを考慮して2階を玄関にしました.

1階から3階までをつなぐ主階段です.
スリット窓から、本堂が見えます.
右は玄関です.

主階段です.
3階の中庭からの光で、とても明るい空間です.
正面は応接間です.

主階段の1階です.

1階厨房です.

1階広間です. 床柱は、寄贈された10寸角の黒檀です.

広間の反対側です.
左の棚内部に、FFストーブを隠蔽してあります.

2階応接室です.
正面はミニキッチンです.
左の棚にはCDとLPレコードが入ります.
音楽を楽しむため落ち着いた色合いとしています.
遮音と吸音にも配慮しています.

2階応接間です.
洋室と和室の続き間となっています.
正面中央には、仏壇が入ります.

応接間の和室側から洋室を見た所です.

2階寺務所も、洋室と和室の続き間となっています.

事務室の和室側から見た所です. お客さんが入りやすいように、廊下との仕切(引き分け戸)を開け放しでおくことが出来ます、

奥にある、2階までをつなぐ階段です.
左の格子戸から本堂に繋がります.

階段から、1階の位牌堂を見た所です.

階段から2、階の位牌堂を見た所です.

階段から見た廊下です.
連続するスリット窓から、本堂や前庭の様子を見る事が出来ます.

改装された既存の位牌堂です.
右の本堂と連続しています.
天井は、落ち着いた空間とするために、艶消しの黒色塗装です.

1階の位牌堂です.
奥は開山堂を設置予定です.

2階位牌堂です.
中央部板敷き部分は、位牌壇の予備スペースです.
正面のスリット窓からは、墓地が見えます.

主階段の3階から見下ろした所です.

3階庫裡のリビングです.
奥の小上りは障子で仕切ることが出来ます.

リビングから見たキッチンです.
3階になれば、津軽平野を一望できます.
この窓からは、八甲田が見えます.

家具が入ったリビングです.
この窓からは、岩木山が見えます.

洗面所です.
食品庫を挟んでキッチンと連続していので、動線が回遊しています.

子世帯ゾーンに面する中庭です.

子世帯の寝室です.
正面は書斎と納戸、右は中庭です.

子世帯の寝室です.
ここの窓からも岩木山が見えます.

天窓のある子供部屋です.

南側に面した親世帯の寝室です.


所 在 地 田舎館村堂野前
増築面積 862㎡
改装面積 48㎡
既存面積 233㎡
構造規模 鉄骨構造3階建て
施工会社 弘和建設(株)
竣 工 2008年8月
次の仕事
「早 稲 田 3 丁 目 の 家」 へ。
ここに掲載されている写真などの著作権はアラハバキ建築研究所にあります.
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- 2008/11/21(金) 19:26:33|
- 仕事・・・その他|
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