■ E+CLOUD (扇町のオフィス) ■インターネット関連事業などを中心に行っている企業のための、扇町(オフィスアルカディア)に建つ事務所です。
並列した二つのワークスペースの間に、エントランスや、中庭、プライベート空間の北棟を挟み込むような構成になっています。
この様な形態から、光と風の感じられる快適で多様な空間が生まれました。
それから、施主であるE+CLOUDのHPで工事の様子などを紹介していますので、
ケンチクカウェブも覗いてみて下さい。

南側正面外観 エントランスを挟んで西棟と東棟が並列しています.

南東側外観. 駐車場は埋設配管に井戸水を循環させ融雪しています. ランニングコストはポンプの電気代だけです. 循環した井戸水は、再び土中に戻しています.

西棟正面. テラスを様々な形で利用出来るように窓は、全面開放することが出来ます.

西棟とアプローチです. 手前は、車のライトが直接室内に入るのを防ぐためと、テラスと駐車場を軽く仕切るために設けられた、芝生による築山です.

西棟テラスから見たアプローチです. アプローチも駐車場と同じ融雪を行っています.

アプローチの詳細です.

東側外観. 腰壁はコンクリート打放し、その上は厚さ50mmの成型されたセメント板です.
どちらも、素材のままですので、表面の劣化が極めて少ない仕上です.

北側外観. 有孔折板で設備機器を隠蔽しています.

西側外観. 11個の天窓が見えます.

北西側外観. 植裁は今後植える予定です.

南側夜景.

エントランスから中庭側を見た所. 正面の並模様の壁には、サインが入る予定です.

エントランスから東側を見た所. ワークスペース入口は、自動ドアです.

エントランスからアプローチ側を見た所. このスペースでもミーティングが出来ます.

中庭. グレーの玉砂利を敷き詰めています. 中庭を中心に動線は回遊しています.

中庭夜景. サクラとモミジの木をライトアップしています.

西棟ワークスペース. 床は全面フリーアクセスフロアです.

ワークスペースから中庭方向を見た所.
天井は構造・空調設備など現しとし、空間を目一杯使っています.
空調は、安価な深夜電力を利用したエコアイス方式です.

西棟ワークスペースから見た、多目的室とリフレッシュコーナーです.

西棟ワークスペースから、リフレッシュコーナー方向を見た所です.
6ヶの天窓がありますので、自然光だけでも十分明るい空間です. 天窓は電動開閉出来ますので、夏は天井付近に溜まった熱気を一気にはき出す事が出来ます. しかも、雨が降れば自動的に閉鎖します.

社長室です. 壁は、艶を抑えた黒色塗装にしました.

社長室から入口方向を見た所です. 左に湯沸しコーナーが見えます.

写真撮影用のスタジオです. 天井にワイヤーメッシュを吊ていますので、どこにでもスポットライトをセットする事が出来ます.

東棟ワークスペースです. ここには3ヶの天窓があります. 奥にはサーバールームがあります.

東棟ワークスペースから、リフレッシュコーナーと多目的室を見た所です.

セミナーの開催などを想定した、東棟のミーティングルームです. 可動式のアルミルーバーで仕切っていますので、必要に応じて空間を開いたり閉じたり出来ます.

西棟と東棟とをつなぐ、北棟のリフレッシュコーナーです.

北棟リフレッシュコーナーです. 壁天井は艶がある白色塗装です

北棟ロッカールームとトイレに向かう廊下です. 正面は、白い玉砂利を敷いた二つ目の小さな中庭です.

トイレ内の洗面カウンターです.

パウウダーカウンターのあるロッカールームです. ここは、プライバシーを考慮して、小さな中庭側にのみ窓を付けています.

別棟の車庫です. 倉庫・自転車置場などを併設しています.

最終模型です.

最終模型です.

最終模型です.

最終模型です.

車庫棟です.

第1案模型です.

計画案の立面です.
この建物の着工時、施主であるE+CLOUDのHPにこの建物を設計しながら考えた事を、掲載させて頂きました。
その原稿に多少の加筆訂正し、ここに掲載します。
■ E+CLOUD(扇町の事務所)の設計を通して考えた事この建築では、自由で活動的な雰囲気である企業のイメージに合わせ、「自由」をコンセプトに考えました。
自由に人が集まり、自由に仕事をし、自由に会話をし、自由に交流をすることが出来るような、企業としての雰囲気がそのまま感じられるような空間をイメージしています。
たとえば、光と風と空間の豊かさを感じながら自由にコミュニケーションのできる様々な空間(ワークスペースは勿論、中庭やテラス・リフレッシュコーナーなど)が、新たな交流を促し、そこから、活力と次のアイデアが生まれ、企業としての活動もさらに活性化されるのではないかと思っております。
現しの構造、現しの空調機器等々、空間を構成する要素が「嘘」をつかない創り方となっているのも、企業のイメージを意識しての事です。
建築は、末永く使って欲しいと考えております。
その為に、しっかりした構造で、使いやすく飽きのこないデザインとしています。
外壁には、古くなった時汚くなるものではなく、美しく古びるような素材からしっかりした材料を選定しています。
それから、スタッフ構成の変化やOA機器の更新に適応できるような装置、高い気密性・断熱性と遮熱性の確保、経年劣化の少ない仕上材、効果的に自然の光と風を取り入れることが出来る11ヶの天窓、夏の日射に対し効果的な庇、太陽熱を反射する屋根防水、井戸水を利用したローコストの駐車場融雪、エネルギーロスの少ない換気計画、深夜電力利用により電力使用量のピークを分散化した冷暖房計画(エコアイス)、消費電力の少ない照明計画等々、快適性の確保とランニングコストの低減を様々な角度から検討しております。
それから、建築は単体で建つ物ではありません。
敷地と会話をしながら、敷地周辺も含めた中での最適な配置と、景観との調和を模索しています。
建物を分棟化しスケールをダウンしたのも、環境との違和感を回避するためです。
又、建物と外部との行き来を促すようにテラスを多く設け、人を迎え入れやすい雰囲気になるように考慮しています。
今は設計が終わり施工の段階ですが、最後まで気を抜かないで設計内容を再度見直し、施主や施工者などとさらにアイデアをつめ、建築としての完成度を高めて行きたいと思います。
その様なことを何度も繰り返すことで、より「あづましい」空間、より使いやすい事務所空間が創られるのではないかと思っております。
所 在 地 弘前市扇町2丁目
延床面積 800㎡ (車庫33㎡を除く)
構造規模 鉄骨構造平屋建て (車庫は木造平屋建て)
施工会社 (株)村上組
竣 工 2008年12月
次の仕事
「堂 野 前 の お 寺 ( 寶 光 山 久 成 寺 ) 」 へ。
ここに掲載されている写真などの著作権はアラハバキ建築研究所にあります.
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- 2009/01/15(木) 12:17:37|
- 仕事・・・その他|
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